屋台やたい)” の例文
旧字:屋臺
にん一人ひとりずつその屋台やたいまえって、ちいさなあなをのぞいてみました。すると、それには不思議ふしぎな、ものすごい光景ありさまうごいてました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大詰の大戦争の駢馬三連車も人を驚かせるが、この踊り屋台やたい然たる戦車の上に六人の銃手が銃口を揃えてるのはすさまじい。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
当年は不景気でもあり、国家多事の際でもあるので、山車だし屋台やたいもできなかったが、それでも近在から人が出て、紅い半襟や浅黄あさぎの袖口やメリンスの帯などがぞろぞろと町を通った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
不潔なモルフィネ中毒患者をよそおって、よろよろ歩いていたし、一方ルーズベルトの特使の方は、男使だんし女使じょしの二人組で街頭がいとう一品料理は如何でございと屋台やたいを引張って触れて歩いていたのである。
毎晩酒のを、切らしたことがないという噂でした。家でも飲むし、もちろん外でも飲む。駅近くの飲み屋や屋台やたいで、とぐろを巻いている猿沢の姿を、蟹江はしばしば見かけることがありました。
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
そのそばへいって、屋台やたいにさしてあるいろいろな色紙いろがみつくられた小旗こばたかぜになびくのをたり、チャルメラのおとこうとおもいました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
城跡しろあとのところにいきますと、いつもおじいさんが屋台やたいろす場所ばしょ屋台やたいいてありました。そこからチャルメラのこえこえてきました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、あちらの浜辺はまべほうから、一人ひとりのじいさんが一つのちいさな屋台やたいをかついで、こっちにあるいてくるのにあいました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ずっと以前いぜんから、このむら一人ひとりのあめりじいさんがはいってきました。チャルメラをいて、ちいさな屋台やたいをかついでまちほうからやってきました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しまいには、えだからりてきて、屋台やたいうえまるようになり、それから、おじいさんのかたうえに、うえまるようになったのであります。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもらは、おじいさんのまわりにってきました。おじいさんは、まちかどのところにくると屋台やたいろしました。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、あおや、あかや、黄色きいろ小旗こばたててある屋台やたいのかたわらにって、おもしろいふしうたをうたいました。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるとしはる長閑のどかのこと、はなしたにあめりが屋台やたいろしていました。屋台やたいむすんだ風船玉ふうせんだまそらただよい、また、てた小旗こばたかぜかれていました。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんが、やなぎしたで、アイスクリームの屋台やたいして、つくねんと、こちらをわらっていました。少年しょうねんは、おじいさんに、このことをいてみようとおもいました。
サーカスの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのつぎには、カチ、カチと拍子木ひょうしぎらして紙芝居かみしばいが、はらっぱへ屋台やたいをおろしたのです。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、むすめ一人ひとりがいいますと、じいさんはかついでいた屋台やたいろして、わらって
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらへ、あか風船球ふうせんだま屋台やたいがでました。また、金魚売きんぎょうりが、をおろしていました。まわりへこどもらが、あつまっています。その風景ふうけいは、いまむかしと、すこしのわりもありません。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)