大柄おほがら)” の例文
張箍はりわ女袴をんなばかま穿いた官女くわんぢよよ、とちよ、三葉形みつばがたぬひを置いて、鳥の羽根はねの飾をした上衣うはぎひきずる官女くわんぢよよ、大柄おほがら權高けんだかで、無益むやく美形びけい
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
普通の宿泊料ではやりきれないので、男のやうな口のきゝ方をする大柄おほがらのかみさんに談判して、月極つきぎめにして割引いて貰ふ事にした。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
レイディ・リンは四十位の、大柄おほがらな、肥つた人で、反身そりみで、ひどく傲慢な容子をして、いろ/\に光る繻子の服を着てゐた。
それから小僧の春吉を呼んで參りましたが、これは十四の大柄おほがらな少年で、食ふことの外には大して樂しみも無ささうです。
あついから股引もゝひき穿かず、跣足はだし木屑きくづなかについたひざもゝむねのあたりはいろしろい。大柄おほがらだけれどもふとつてはらぬ、ならばはかまでも穿かしてたい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たい日本にほんをんなの足とたら、周三所謂いはゆる大根だいこんで、不恰好ぶかつかうみぢかいけれども、お房の足はすツと長い、したがツてせいたかかツたが、と謂ツて不態ぶざま大柄おほがらではなかツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
見返みかへると、くろ黄色きいろしまのある大柄おほがらはちで、一たかあがつたのがまたたけ根元ねもとりてた。と、地面ぢべたから一しやくほどのたかさのたけかはあひだ蜘蛛くも死骸しがいはさんである。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
丈の高い、大柄おほがらな、黒い毛を長く背中に垂らした女の人のやうでした。どんな服を
かすり衣服きものの、あの弟御おとうとごが、廂帽子ひさしばうしよこツちよに、土間どま駈足かけあしで、母樣おつかさん使つかひて、伸上のびあがるやうにして布施ふせするから、大柄おほがら老道者らうだうじやは、こしげて、つゑつたたなそこけて、やつこ兩方りやうはう
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)