大口おほぐち)” の例文
ニヤ/\とりやうほゝくらくして、あの三日月形みかづきなり大口おほぐちを、食反くひそらしてむすんだまゝ、口元くちもとをひく/\としたあかかへるまで、うごめかせたわらかた
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぬすむなどと云卑劣ひれつ武士さふらひにあらず是にても疑ひははれぬかと云ふに久兵衞は大口おほぐちあい打笑うちわらひイヤサ盜人ぬすびとたけ/″\しいとは貴殿きさまの事なり此品々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
先に大口おほぐち言込有いひこみありし貸付の緩々だらだら急に取引迫りて、彼はちとの猶予も無く、自ら野州やしゆう塩原なる畑下はたおりと云へる温泉場おんせんじように出向き、其処そこ清琴楼せいきんろうと呼べる湯宿に就きて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
慓輕へうきんなる武村兵曹たけむらへいそう大口おほぐちいてカラ/\とわら
慳貪けんどんなる商人あきびと方形はうけいひら大口おほぐちなり
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
大口おほぐち
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かたそばだて、前脚まへあしをスクとてて、みゝ圓天井まるてんじやうとゞくかとして、くわつ大口おほぐちけて、まがみはとほ黒板こくばん呼吸いきいた——
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
取れまいと云つゝ故意わざと見せびらかししか盜人どろぼうひまはあれども守人まもりてひまはなしとか云なりと大口おほぐちあいて打笑ひ其胴卷そのどうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
慳貪けんどんなるをとこ方形はうけいひら大口おほぐちなり
そぞろごと (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
カチ/\とときわにかとおも大口おほぐちくわつひらいて、上頤うはあごめるしたあかい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はてさて迷惑めいわくな、こりやまい黄色蛇あおだいしやう旨煮うまにか、腹籠はらごもりさる蒸焼むしやきか、災難さいなんかるうても、赤蛙あかゞへる干物ひもの大口おほぐちにしやぶるであらうと、そツると、片手かたてわんちながら掴出つかみだしたのは老沢庵ひねたくあん
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
親仁おやぢ大口おほぐちいて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)