夜昼よるひる)” の例文
旧字:夜晝
若い者を集めて夜昼よるひる剣術の稽古をやったり鉄砲などを備えて置きますから、あなた様にもその心持でおいでにならないと危のうございますぞ
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
雪下ゆきふるさかんなるときは、つもる雪家をうづめて雪と屋上やねひとしたひらになり、あかりのとるべき処なく、ひる暗夜あんやのごとく燈火ともしびてらして家の内は夜昼よるひるをわかたず。
佐吉きもちのおかあさんは、やさしいおかあさんでありましたが、ふとした病気びょうきにかかりました。佐吉さきちは、夜昼よるひるしんせつにおかあさんの看病かんびょうをいたしました。
酔っぱらい星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうさんとひいさんとで、夜昼よるひる、まくらもとにつききりで看病かんびょうしたかいもなく、もういよいよ今日きょうあしたがむずかしいというほどの容態ようだいになりました。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
葉子の性癖としていつでもできるだけ豊かな快い夜昼よるひるを送るようにのみ傾いていたので、貞世の病院生活にも、だれに見せてもひけを取らないだけの事をうわべばかりでもしていたかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それつゝかけに夜昼よるひるかけて此処こゝまでたなら、まだ/\仕事しごと手前てまへやまにもみづにも言訳いひわけがあるのに……彼方あつち二晩ふたばん此方こつち三晩みばんとまとまりの道草みちくさで、——はなにはくれなゐつきにはしろく、処々ところ/″\温泉をんせん
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今度こんどはひるまです。なぜなら夜昼よるひるはどうしてもかわるがわるですから。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あなたがた夜昼よるひるを寝たり起きたりして過させるのだ。
しゅてんどうじはその御殿ごてんの中で、夜昼よるひるさけんで、わたくしどもにうたうたったり、おどりをおどらせたり、手足をさすらせたりして、あきるとつかまえて、むごたらしくって
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
夜昼よるひるの見さかいもなく、帯も解かずに看護の手を尽くした葉子は、どうかするとふらふらとなって、頭だけが五体から離れてどこともなく漂って行くかとも思うような不思議な錯覚を感じながら
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
月も日もなく、夜昼よるひる七日なのか流れたつて言ふんですもの……
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夜昼よるひる貰った宝の事を、それよりもくれた人の事を
まえたちも人のすてたものや、そこらにこぼれたものひろってべていればいいのだが、これまでのように、夜昼よるひるかまわず、人のうちの中をかけまわってぬすいをしたり、着物きものいやぶったり
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
千里眼のリンケウスは、夜昼よるひる油断なく