さけ)” の例文
失敬しっけいな!』と、一言ひとことさけぶなりドクトルはまどほう退け。『全体ぜんたい貴方々あなたがたはこんな失敬しっけいなことをっていて、自分じぶんではかんのですか。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
らうたちまかほいろあをあかく、くちびるふるはせて惡婆あくば、とさけびしが、怒氣どき心頭しんとうおこつて、よりは黒烟くろけふりのごとく、紙幣しへいふみ寸斷ずた/\にいててゝ、直然すつくたちしさまひとなば如何いかなりけん。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と彼は横手をちて不意にさけべば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かれ起上おきあがって声限こえかぎりにさけび、そうしてここより抜出ぬけいでて、ニキタを真先まっさきに、ハバトフ、会計かいけい代診だいしん鏖殺みなごろしにして、自分じぶんつづいて自殺じさつしてしまおうとおもうた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なにならんと小走こばしりしてすゝりつ一枝ひとえだ手折たをりて一りんしうりんれかざしてるも機嫌取きげんとりなりたがひこゝろぞしらず畔道あぜみちづたひ行返ゆきかへりてあそともなくくらとりかへゆふべのそら雲水くもみづそう一人ひとりたゝく月下げつかもん何方いづこ浦山うらやましのうへやと見送みをくればかへるかさのはづれ兩女ふたりひとしくヲヽとさけびぬ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二人ふたりとも、さあておでなさい。さあ。』アンドレイ、エヒミチはまださけつづけている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)