きつ)” の例文
きやううちるより洋燈らんぷうつして、火鉢ひばちきおこし、きつちやんやおあたりよとこゑをかけるにれはいやだとつて柱際はしらぎはつてるを
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヂュリ いきれてはれぬとやるほどなら、いきれてゐぬはずぢゃ。なんのかのと言譯いひわけしてゐやるのが肝腎かんじん一言ひとことよりながいわいの。これ、きつか、きょうか? はやや。
けんとほる。君子終り有りきつ。○彖伝たんでんに曰く、天道はくだして光明。地道はいやしくして上行す。
地山謙 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
私だけは父が迷信を極端に排斥したものですから、狐や狸のばかし話は嘘であると信じて居るのですが、友達は一人残らず住吉すみよし参りをしたきつつあんの話を真実ほんたうのことと思つて居たやうです。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
きつちやんおまへにもゝうはれなくなるねえ、とてたゞふことながらしをれてきこゆれば、どんな出世しゆつせるのからぬが其處そこくのはしたがからう
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それさへうてたもったら、詳細事くはしいことあとでもよい。はや安心あんしんさしてたも、きつか、きょうか?
一人住居ずまいの相手なしに毎日毎夜まいやさびしくつて暮しているなれば手すきの時には遊びにも来て下され、私はこんながらがらした気なればきつちやんの様な暴れさんが大好き
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一人住居ひとりずまゐ相手あひてなしに毎日まいにち毎夜まいやさびしくくらしてるなればすきのときにはあそびにもくだされ、わたし此樣こんながらがらしたなればきつちやんのやうなあばれさんが大好だいす
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)