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半端
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はんぱ
ふりがな文庫
“
半端
(
はんぱ
)” の例文
「今日は
山端
(
やまばな
)
の
平八茶屋
(
へいはちぢゃや
)
で
一日
(
いちんち
)
遊んだ方がよかった。今から登ったって中途
半端
(
はんぱ
)
になるばかりだ。
元来
(
がんらい
)
頂上まで何里あるのかい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある、いろいろの苦しまぎれからでもあるか、近頃は大阪弁に国語のころもを着せた
半端
(
はんぱ
)
な言葉が随分現れ出したようである。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
半端
(
はんぱ
)
の進歩であり、準の正義である。しかしながら理論は「ほとんど」ということを認めない、あたかも太陽が
蝋燭
(
ろうそく
)
の光を認めないと同様に。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
村の女たちも、彼に使い走りに行ってもらったり、彼ほど親切ではない亭主たちがしてくれない
半端
(
はんぱ
)
な用事をいつも彼にたのんだりするのだった。
リップ・ヴァン・ウィンクル:ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
加茂河原
(
かもがわら
)
あたりで朝食をとるべきなのに、北野まで我慢して来たので、時刻がそういう
半端
(
はんぱ
)
になってしまったのである。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「どうも
半端
(
はんぱ
)
な庭園じゃな。それにしても、王老師は、どうしていられるのか。おいおいボーイ君、王老師はまだこの大使館へ出勤せられないのか」
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あなただって、片方だけの
半端
(
はんぱ
)
じゃあ、ほんとの男の紋章とは思わないでしょう。あたし、金五郎さんが、立派な男で、約束を守る人だということを
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
今も東京などで、物の
半端
(
はんぱ
)
になって
完
(
まった
)
からぬをハシと云い、朝寝した怠け者が、「今日はハシになったからついでに晩まで遊んで明日から仕事しよう」
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
お糸さんに敬意を表して見ると、もう
半端
(
はんぱ
)
になったから、国への送金は見合せていると、母から催促の手紙が来た。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
売掛けもどうかと思って、その月の
半端
(
はんぱ
)
の分を
纏
(
まと
)
めて書付にして出すと、その翌日は
綺麗
(
きれい
)
に払ってくれました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
祖父の異様な蔵書やフォーゲルの蔵書の中から、神学や科学や哲学などの、しかも多くは
半端
(
はんぱ
)
になってる書物を、手当り次第に引出してきては読みふけった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
孰
(
どち
)
らでも、ハッキリとしたお返事が欲しいのです。こんな中途
半端
(
はんぱ
)
な気持の
中
(
うち
)
に、いつまでも苦しんでいたくないのです。僕は、貴女の全部を
掴
(
つか
)
みたいのです。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
何がさて明治もまだ中途
半端
(
はんぱ
)
頃の
血腥
(
ちなまぐさ
)
い時代の事とて、何か
一
(
ひ
)
と騒動初まらねばよいがと、
仲居
(
なかい
)
、
芸妓
(
げいぎ
)
連中が心も空にサービスをやっているうちに果せる
哉
(
かな
)
始まった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
静かに私自身の手で
冥福
(
めいふく
)
をお祈りしようと予定しているのですが、これも中途
半端
(
はんぱ
)
な心でしょうね
源氏物語:38 鈴虫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
そうともさ、
肝腎
(
かんじん
)
の
万年青
(
おもと
)
の
掃除
(
そうじ
)
を
半端
(
はんぱ
)
でやめて、
半時
(
はんとき
)
も
前
(
まえ
)
から、お
前
(
まえ
)
さんの
来
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
ってたんだ。——だがおせんちゃん。お
前
(
まえ
)
は
相変
(
あいかわ
)
らず、
師匠
(
ししょう
)
の
絵
(
え
)
のように
綺麗
(
きれい
)
だのう
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
やい、寅。てめえのような
半端
(
はんぱ
)
人足を相手にして、
泥沫
(
はね
)
をあげるのもいやだと思って、お慈悲をかけてやりゃあ際限がねえ。おれは立派に御用の十手を持っているが、てめえを
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
別室に妹の駆け込んだのを見向きもしない愛子の不人情さを憤る怒りと、命ぜられた事を中途
半端
(
はんぱ
)
でやめてしまった貞世を憤る怒りとで葉子は自制ができないほどふるえていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ちょっと時間の
半端
(
はんぱ
)
が出たりくたびれたりした時などに、当てもなく開いて、色々な魚や蟹の姿に見入りながら、どう描いたらこれが名画になるかなと、ぼんやり考えているのは
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
私はお竜ちゃんのために大事にとってある上等な道具はその子と遊ぶときには使わない事にして、もうさんざ使い古した、そして
半端
(
はんぱ
)
になったような、ちぐはぐな皿や
茶碗
(
ちゃわん
)
でばかり遊んだ。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
仕事が長びいて
半端
(
はんぱ
)
な時間になると、龍介はいつでもこの事で迷った。
雪の夜
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
さりとて思う様に書けもせず。
彼方
(
あち
)
を
羨
(
うらや
)
んで見たり、自ら憐んで見たり。中途
半端
(
はんぱ
)
な
吾儘
(
わがまま
)
生活をする
罰
(
ばち
)
だ。致方は無い。もとより見物人も役者の一人ではある。然し
離
(
はな
)
れて独り見物は矢張
寂
(
さび
)
しい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
悪いのは、中途
半端
(
はんぱ
)
だからだ。中途半端だった——つまり、クソだったからだ。しかし、クソでもいい、とにかくインテリだった。途中までしきゃ行けなかったけど、とにかく前を向いて歩いたんだ。
胎内
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
半端
(
はんぱ
)
物共。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
君か私かのどっちかが、どうかなってしまえば、図面が
半端
(
はんぱ
)
になり
折角
(
せっかく
)
の苦心も水の
泡
(
あわ
)
になったところだ。
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と
揺
(
ゆす
)
り始めたんで、やむを得ず、
毛布
(
けっと
)
の方でも「おい」と同じような返事をして、中途
半端
(
はんぱ
)
に立ち上った。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
半端
(
はんぱ
)
なことをチュウゲンという語は、すでに平安朝の文学に見えている。チュウゲン(中間)すなわちハシタ(半)で、もと間人の義であることは明らかである。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
それに
半端
(
はんぱ
)
な具足をつけ、また中には、ゆうべ限り六波羅方に見切りをつけて、たちどころに、野盗と変じた逃亡兵なども交じっているかと思われる
烏合
(
うごう
)
だった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この居候連中は宿屋や酒場にいりびたって、使い走りをしたり、いろいろ
半端
(
はんぱ
)
仕事をして、台所の余り物や、酒場のおこぼれにしこたまありつこうという算段である。
駅馬車
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
中途
半端
(
はんぱ
)
なお年で、おおぜいお子様のいらっしゃる中で軽い者にお扱われになることになってはと、尼君も始終それを苦労になさいましたが、宮様のお内のことを聞きますと
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
箱根から
伊豆
(
いず
)
半島の温泉へ、志ざす人々で、一杯になっている
筈
(
はず
)
の二等室も、春と夏との間の、湯治には
半端
(
はんぱ
)
な時節であるのと、一週間ばかり雨が、降り続いた
揚句
(
あげく
)
である
為
(
ため
)
とで
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
三十万の特権者をもって立てられた
半端
(
はんぱ
)
な政府、それらは王位がなした仕事である。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
割って割りきれねえ
半端
(
はんぱ
)
の出るのが半——つまり
一
(
ピン
)
は割りきれねえから半、二は割りきれるから丁、三が半で、四が丁、五が半ならば六が丁、という段取りなんで、おっと待ったり
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だが、世阿弥の目には、それが書き
半端
(
はんぱ
)
な海図とのみ単純には看過されなかったとみえて
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしこれはおそらく新らしい事で、寡聞未だ古くそんな語の使用された事を知らぬ。
何方
(
どちら
)
へもつかぬとか、
半端
(
はんぱ
)
だとかいう場合には、通例古代にはハシタという語を用いた。大和物語に
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
貞節を装うことは
半端
(
はんぱ
)
の徳でありまた半端の不徳である。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“半端”の意味
《名詞》
半端(はんぱ)
数や量が揃わないこと。また、そのようなもの。はした。
どちらともつかないこと。不十分なこと。
気が利かないこと。一人前でないこと。
(出典:Wiktionary)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“半端”で始まる語句
半端物
半端議会