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けいこう
ふりがな文庫
“
傾向
(
けいこう
)” の例文
木戸銭
(
きどせん
)
をだしていない
大道芸
(
だいどうげい
)
のせいでもあろうが、とかく人間は、かれの
成功
(
せいこう
)
よりもかれの
失敗
(
しっぱい
)
をよろこぶ
傾向
(
けいこう
)
をたぶんにもっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でも、この
赤人
(
あかひと
)
といふ
人
(
ひと
)
は、かういふ
傾向
(
けいこう
)
の
景色
(
けしき
)
を
詠
(
よ
)
む
歌
(
うた
)
ひてを
亡
(
な
)
くして、だん/\
自分
(
じぶん
)
の
進
(
すゝ
)
むべき
領分
(
りようぶん
)
を
見出
(
みいだ
)
して
行
(
ゆ
)
きました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
肩
(
かた
)
や胸の歯形を
愉
(
たの
)
しむようなマゾヒズムの
傾向
(
けいこう
)
もあった。
壁
(
かべ
)
一重の隣家を
憚
(
はばか
)
って、
蹴上
(
けあげ
)
の旅館へ寺田を連れて行ったりした。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
しかし、これが元来空想的な
傾向
(
けいこう
)
を
有
(
も
)
つシャクに、自己の想像をもって自分以外のものに乗り移ることの面白さを教えた。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
強権的な
鍛練
(
たんれん
)
主義一点ばりの
傾向
(
けいこう
)
にあるのを深く
憂
(
うれ
)
えていた際だったので、すぐそれを自分の新しい構想に基づく青年塾に利用したいと考えた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
にくらしくても、
反感
(
はんかん
)
は抱いていても、人間には、強い
颯爽
(
さっそう
)
たるものを無条件に讃美し、敬慕する
傾向
(
けいこう
)
があります。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私
(
わたくし
)
は
貴方
(
あなた
)
が
総
(
すべ
)
てを
綜合
(
そうごう
)
する
傾向
(
けいこう
)
をもっているのを、
面白
(
おもしろ
)
く
感
(
かん
)
じかつ
敬服
(
けいふく
)
致
(
いた
)
したのです、また
貴方
(
あなた
)
が
今
(
いま
)
述
(
の
)
べられた
私
(
わたくし
)
の
人物評
(
じんぶつひょう
)
は、ただ
感心
(
かんしん
)
する
外
(
ほか
)
はありません。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
七、八年ならんといったが、いかにも今日まで五ヵ年になるが、彼のいったごとき
傾向
(
けいこう
)
が現れんとしつつある
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
しかし自分がそれだけの個性を尊重し得るように、社会から許されるならば、他人に対してもその個性を認めて、彼らの
傾向
(
けいこう
)
を尊重するのが理の当然になって来るでしょう。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
則
(
すなわ
)
ち肉類や乳汁を、あんまりたくさんたべると、リウマチスや痛風や、悪性の
腫脹
(
しゅちょう
)
や、いろいろいけない結果が起るから、その病気のいやなもの、
又
(
また
)
その病気の
傾向
(
けいこう
)
のあるものは
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
安斉
(
あんざい
)
先生は
旧藩
(
きゅうはん
)
時代の
面影
(
おもかげ
)
を顔のあばたに伝えている。まばらなひげが白い。その昔剣道できたえたと見えて、目がすこし
薮
(
やぶ
)
の
傾向
(
けいこう
)
をおびている。にらみがきく。ナカナカこわい。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
このスエーデンの
北方博物館
(
ほつぽうはくぶつかん
)
とまつたく
同
(
おな
)
じような
博物館
(
はくぶつかん
)
が
更
(
さら
)
に
北
(
きた
)
の
國
(
くに
)
、ノールウエのオスロにもありますし、
近頃
(
ちかごろ
)
この
種
(
しゆ
)
の
博物館
(
はくぶつかん
)
は
各國
(
かつこく
)
に
設
(
まう
)
けられて
來
(
く
)
る
傾向
(
けいこう
)
になつてをります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
彼に対してのみその
傾向
(
けいこう
)
が極端になって行ったのである彼女が佐助を最も便利に思った理由もここにあるのであり佐助もまたそれを苦役と感ぜずむしろ喜んだのであった彼女の特別な意地悪さを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
とりわけ
斎藤実
(
さいとうまこと
)
、
高橋是清
(
たかはしこれきよ
)
といったような、ながく国民に敬愛されていた人たちの
遭難
(
そうなん
)
の
詳報
(
しょうほう
)
は、田川大作のような
右翼的
(
うよくてき
)
傾向
(
けいこう
)
の強い塾生たちにも
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
この
傾向
(
けいこう
)
は決して
独
(
ひと
)
り婦人子供のみに限らない。
大人
(
おとな
)
にもあり、しかも学者または
識者
(
しきしゃ
)
にもあることである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
この種の美しさは、この国の人々の間に在っては余りにも
稀
(
まれ
)
なので、子路のこの
傾向
(
けいこう
)
は、孔子以外の誰からも徳としては認められない。むしろ一種の不可解な
愚
(
おろ
)
かさとして映るに過ぎないのである。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
しかし、直吉の顔は、
頑
(
がん
)
として南の方を向いたきりで、どうにもならなかった。どうにもならないどころか、直吉の足は、かえってそのために、一層速くなる
傾向
(
けいこう
)
さえあった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「時局がら、
憂
(
うれ
)
うべき
傾向
(
けいこう
)
だ。
査問会
(
さもんかい
)
をひらいたら、どうだい。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
“傾向”の意味
《名詞》
傾 向(けいこう)
ある特定の方向へ傾くこと。
物事の性質や状態または人の行動や考えが特定の方向へ偏ること。その偏り。
ある事になりがちな事。
(出典:Wiktionary)
傾
常用漢字
中学
部首:⼈
13画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“傾”で始まる語句
傾
傾城
傾斜
傾聴
傾覆
傾城買
傾城町
傾注
傾蓋
傾斜地