“旧藩”の読み方と例文
旧字:舊藩
読み方割合
きゅうはん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
安斉あんざい先生は旧藩きゅうはん時代の面影おもかげを顔のあばたに伝えている。まばらなひげが白い。その昔剣道できたえたと見えて、目がすこしやぶ傾向けいこうをおびている。にらみがきく。ナカナカこわい。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
余は幼きころよりきびしき庭のおしえを受けし甲斐かいに、父をば早くうしないつれど、学問のすさみ衰うることなく、旧藩きゅうはんの学館にありし日も、東京に出でて予備黌よびこうに通いしときも、大学法学部にりし後も
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
みんな旧藩きゅうはん関係だからご家来けらいだ。ご家来でなければ先生になれない。そのうち安斉あんざいさんという老人が指導主事として采配さいはいをふるっている。この先生はご家中かちゅうずい一の漢学者で、評判ひょうばんのやかまし屋だ。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)