“事變(じへん)” の例文
新字:事変
然(しか)るに、人間(にんげん)の萬事(ばんじ)は、實(じつ)に意外(いぐわい)の又(また)意外(いぐわい)、此(この)喜悦(よろこび)の最中(さいちう)に非常(ひじやう)な事變(じへん)が起(おこ)つた。
片手(かたて)で、尚(な)ほつよく、しかと婦人(ふじん)の手(て)を取(と)つたまゝ、その上(うへ)、腰(こし)で椅子(いす)を摺寄(すりよ)せて、正面(しやうめん)をしやんと切(き)つて、曰(いは)く此時(このとき)、神色(しんしよく)自若(じじやく)たりき、としてあるのは、英雄(えいゆう)が事變(じへん)に處(しよ)して、然(しか)るよりも
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
『艦長閣下(かんちやうかくか)、實(じつ)に容易(ようゐ)ならぬ事變(じへん)は我(わ)が大佐閣下(たいさかくか)の上(うへ)に起(おこ)りました。』と、それより、兵曹(へいそう)と私(わたくし)とは迭代(かたみがはり)に、櫻木海軍大佐(さくらぎかいぐんたいさ)の海底戰鬪艇(かいていせんとうてい)の事(こと)、其(その)大成功(だいせいこう)の實情(ありさま)、及(およ)び二月(ぐわつ)十一日(にち)の夜半(やはん)
二本目(ほんめ)を吸(す)ひつけた時(とき)、彼(かれ)は不安(ふあん)の念(ねん)を禁(きん)じ得(え)ないのであつた。……不思議(ふしぎ)な伴侶(みちづれ)である。姿(すがた)に色(いろ)を凝(こ)らした、朦朧(もうろう)とした女(をんな)の抱合(だきあ)つた影(かげ)は、汽車(きしや)に事變(じへん)のあるべき前兆(ぜんてう)ではないのであらうか。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
海上(かいじやう)に起(おこ)る千差萬別(さばんべつ)の事變(じへん)をば一も見遁(みのが)すまじき筈(はづ)の其(その)見張番(みはりばん)は今(いま)や何(なに)をか爲(な)すと見廻(みま)はすと、此時(このとき)右舷(うげん)の當番(たうばん)水夫(すゐふ)は木像(もくざう)の如(ごと)く船首(せんしゆ)の方(かた)に向(むか)つたまゝ、今(いま)の微(かすか)な砲聲(ほうせい)は耳(みゝ)にも入(い)らぬ樣子(やうす)