万年まんねん)” の例文
旧字:萬年
「これは万歳と申しまして、鶴は千年の寿よわいを延べ、亀は万年まんねんるとかや、それに則った万歳楽まんざいらく、ご覧なされい、ご覧なされい」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
例之たとへば弟汝楩の子万年まんねんの女類は夭折の年月或は契合すべく、更に下つて万年の子くわん三の女つうとなると、明に未生みしやうの人物となる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それを学者がくしゃがしらべて、およそ二万年まんねんまえ人間にんげんほねで、まだわかい二十さい前後ぜんごおんならしいが、たぶんなみにただよって、きし死体したいがついたものだろう。
アパートで聞いた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
思うに誰でも国を富まし、兵を強うし、以て国家万年まんねんの基礎を鞏固きょうこにするという事を願わぬものはありますまい。
国民教育の複本位 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
『三万年まんねん!』とわたくしはびっくりして、『そのあいだには随分ずいぶんいろいろのかわった事件じけんおこったでございましょう……。』
それはまあ、ざっと百二十万年まんねんぐらい前のくるみだよ。ごく新しい方さ。ここは百二十万年前まんねんまえ第三紀だいさんきのあとのころは海岸かいがんでね、この下からはかいがらも出る。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ええ、そうです。どうも見たこともねえ人だ。岡釣でも本所、深川ふかがわ真鍋河岸まなべがし万年まんねんのあたりでまごまごした人とも思われねえ、あれはかみの方の向島むこうじまか、もっと上の方の岡釣師ですな。」
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
われの観るこの日ものち万年まんねんも遼河は濁る善悪よしあしほか
万年まんねんスープ 春 第三十 万年スープ
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そのさかずきてんいてささげられてある。ほし夜々よるよるにそのやまみねとおるときに、一てきつゆとしてゆく。そのつゆが千ねん万年まんねんと、そのさかずきなかにたたえられている。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここはあつ立派りっぱ地層ちそうで、百二十万年まんねんぐらい前にできたという証拠しょうこもいろいろあがるけれども、ぼくらとちがったやつからみてもやっぱりこんな地層ちそうに見えるかどうか、あるいは風か水や
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「五千ねんから、一万年まんねんばかりですかな。」といいました。金持かねもちは、あたまって
おそらくいく万年まんねんむかしから、そのことに、わりはなかったでありましょう。
北の少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ねん万年まんねんもこのきていたいとおもわれました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)