トップ
>
一昨日
>
おとつい
ふりがな文庫
“
一昨日
(
おとつい
)” の例文
一昨日
(
おとつい
)
の
晩
(
ばん
)
宵
(
よい
)
の口に、その松のうらおもてに、ちらちら
灯
(
ともしび
)
が
見
(
み
)
えたのを、
海浜
(
かいひん
)
の別荘で花火を
焚
(
た
)
くのだといい、
否
(
いや
)
、
狐火
(
きつねび
)
だともいった。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは殿様がお隠れになった当日から
一昨日
(
おとつい
)
までに殉死した家臣が十余人あって、中にも一昨日は八人一時に切腹し、
昨日
(
きのう
)
も一人切腹したので
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
つまりそうした好奇心の一番強い真盛りの娘ッ子で、やっと
一昨日
(
おとつい
)
来たばっかりのところへ、先輩のヨネ子からこの話を散々聞かされた訳だね。
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
まア是だけの金子を集めて、是を
資本
(
もとで
)
に
追々
(
おい/\
)
と再建に取掛るつもりでわざ/\源兵衞さんが
一昨日
(
おとつい
)
持って来たに依って
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「すると、この辺は
一昨日
(
おとつい
)
、浮田方と東軍の福島と、小早川の軍と敵の井伊や本多勢と、乱軍になって戦った跡だ」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「あれはきっと
一昨日
(
おとつい
)
のことでございましたろう、確かにそうです。アレクセイ・セミョーヌイチがお伺いしたので。やはりわっしどもの事務所に勤めていますんで」
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
一昨日
(
おとつい
)
昇に
誘引
(
さそわれ
)
た時既にキッパリ
辞
(
ことわ
)
ッて行かぬと決心したからは、人が騒ごうが騒ぐまいが
隣家
(
となり
)
の
疝気
(
せんき
)
で
関繋
(
かけかまい
)
のない
噺
(
はなし
)
、ズット澄していられそうなもののさて居られぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一昨日
(
おとつい
)
の事なりし、僕かの荘官が家の
辺
(
ほとり
)
を
過
(
よぎ
)
りしに、
納屋
(
なや
)
と
覚
(
おぼし
)
き
方
(
かた
)
に当りて、鶏の鳴く声す。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
「今日も昨日も
一昨日
(
おとつい
)
も、もうかれこれ十日余りも、お邸方へ参上致し、さまざまご
贔負
(
ひいき
)
にあずかりましたが、この布ばかりは買っていただけず、
一巻
(
ひとまき
)
だけ残りましてございます」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一昨日
(
おとつい
)
の晩は越前屋の帰り、柳原でいきなり暗闇から
白刃
(
しらは
)
で突っかけられ、
跣足
(
はだし
)
になって逃げ出したし、ゆうべは家へ押込みが入って、すんでの事に寝首を掻かれるところだったし
銭形平次捕物控:149 遺言状
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いいえ、」と婢は微笑んで、「奥様なんでしょう。
一昨日
(
おとつい
)
御出になりました。」
湖水と彼等
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
一昨日
(
おとつい
)
は、一字の男総出で、隣村の北沢から
切組
(
きりくみ
)
舞台
(
ぶたい
)
を荷車で挽いて来た。昨日は終日舞台かけで、村で
唯一人
(
ただひとり
)
の大工は先月来仕かけて居る彼が家の仕事を
休
(
やす
)
んで舞台や
桟敷
(
さじき
)
をかけた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「ちょび髭が月手当をあげると云った、それだけあれば夫婦二人のくらしは立つと思ったんで、箱根から呼び戻したんだ、
一昨日
(
おとつい
)
返事があって、今日の夕方にはこっちへ着いている筈なんだ」
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「坊さんは来なくなった。昨日も来なかった。
一昨日
(
おとつい
)
も来なかった。」
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大王殿下の疑念ようやく
解
(
と
)
く 席定まって総理殿下は「
一昨日
(
おとつい
)
話して置いた件について、あなたが秘密に私に対し最も言おうとして居るところの用件は何であるか」と尋ねましたら「私は秘密は持ちませぬ。しかし最も言わんと願うところの要件は、殿下の御親切なる取扱いによってチベット法王に私の
上書
(
じょうしょ
)
を ...
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
大抵腹を立てるような事はあるまいと、純一の推測していた瀬戸が、
一昨日
(
おとつい
)
谷中の借家へにこにこして来て、今夜
亀清楼
(
かめせいろう
)
である同県人の忘年会に出ろと勧めたのである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「私が
一昨日
(
おとつい
)
から風邪を引きまして、
納屋
(
なや
)
に寝残っておりますと、
昨日
(
きのう
)
の晩方の事です。あの
兼
(
かね
)
の野郎が仕事を
早仕舞
(
はやじま
)
いにして帰って来て『工合はどうだ』と
訊
(
き
)
きました」
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その癖朝の内から
蒼
(
あお
)
い
玻璃
(
ビイドロ
)
見たような晴天で、
昨日
(
きのう
)
も
一昨日
(
おとつい
)
も、総六が崖の上から、十国峠の上に三日続けて見ましたという、つくね芋の形をした重い雲が影もないので
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が一体
何
(
ど
)
うしたら食えるんだ? 東京、横浜、そして神戸——それから
一昨日
(
おとつい
)
此
(
この
)
町へ来たんだが、どこの
工場
(
こうば
)
でもお断りだ。実は今人減しの最中なんでね……何処も
彼処
(
かしこ
)
も同じご托宣だ。
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一昨日
(
おとつい
)
の大夕立の真最中、往来には入っ子一人居ず、家と言う家は、雨戸も窓も皆んな閉め切っている時、自分の家の物干から屋根へ飛降り、踊り舞台の足場を渡って、此路地へ飛込み
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
左様
(
そう
)
だがね、
私
(
わし
)
イ三十の時から
此家
(
こっち
)
へ奉公して、六年
前
(
ぜん
)
に近所へ
世帯
(
しょたい
)
を持ったのだが、
忙
(
せわ
)
しねえ時ア斯うして
毎度
(
めいど
)
手伝に来るのさ、
一昨日
(
おとつい
)
おせゆッ
娘
(
こ
)
が
塩梅
(
あんべい
)
がわりいって
城堀
(
しろほり
)
へ
帰
(
けえ
)
ったから
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ハイ
一昨日
(
おとつい
)
の晩いいました」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「おおその事でございますか。いかにもあなた様のおっしゃる通り、つい
一昨日
(
おとつい
)
までは苗木城の客分の身分でございましたなれど、仔細あって城を出たからは元通りの雲助にござります」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「……ほかでもないがなあ猪口兵衛どん。あの博多一番の分限者の一人娘で、蔵元屋のお熊さんチュウテなあ。十八か九の別嬪が、
一昨日
(
おとつい
)
の朝早よう、万延寺の菩提所で、胴中から真二つに斬られとった騒動なあ……最早、聞いておんなさるじゃろう」
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ところが
一昨日
(
おとつい
)
の晩のことだ。浅草観音の境内へ行き、偶然窩人達の話を聞いた。毒蛇を盗まれたと云っていた。はてなと俺は考えた。考えながら根岸へ行った。と、白粉が引かれてあった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「日柄のことではございませんかな。たしか
一昨日
(
おとつい
)
が丙の日で」
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“一昨日”の意味
《名詞》
一昨日(おととい、おとつい、いっさくじつ、いっさくにち)
今日より二日前であり、一昨昨日の次の日。
(出典:Wiktionary)
“一昨日”の解説
一昨日(いっさくじつ、おととい、おとつい、en: day before yesterday)とは、昨日の前の日、すなわち今日より2日前の日である。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
昨
常用漢字
小4
部首:⽇
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“一昨”で始まる語句
一昨年
一昨々日
一昨夜
一昨々年
一昨昨日
一昨
一昨晩
一昨昨夜