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一振
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ひとふり
ふりがな文庫
“
一振
(
ひとふり
)” の例文
我
(
わ
)
が
獲
(
え
)
ものとを
見較
(
みくら
)
べながら、かたまけると
云
(
い
)
ふ
笑方
(
ゑみかた
)
の、
半面
(
はんめん
)
大
(
おほ
)
ニヤリにニヤリとして、
岩魚
(
いはな
)
を
一振
(
ひとふり
)
、ひらめかして、また、すた/\。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
平次は落着拂つてその下を見ると、底の方へ押込むやうに入れてあるのは、
一振
(
ひとふり
)
の
匕首
(
あひくち
)
、拔いて見ると、思ひの外の凄い道具です。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
して、事
露
(
あらは
)
れなば
一振
(
ひとふり
)
の
刃
(
やいば
)
に血を見るばかり。
情
(
じやう
)
の火花のぱつと燃えては消え失せる
一刹那
(
いつせつな
)
の夢こそ
乃
(
すなは
)
ち熱き此の国の人生の
凡
(
すべ
)
てゞあらう。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
神尾主膳は、青地錦の袋に入れた
一振
(
ひとふり
)
の太刀を床の間から取り外しました。それは多分
伯耆
(
ほうき
)
の安綱の刀でありましょう。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
枯木の根本には
一振
(
ひとふり
)
の
高麗剣
(
こまつるぎ
)
が竜の飾のある
柄
(
つか
)
を上にほとんど
鍔
(
つば
)
も見えないほど、深く突き立っていたのであった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
忘
(
わす
)
れもしませぬ、それは
私
(
わたくし
)
が
三浦家
(
みうらけ
)
へ
嫁入
(
よめい
)
りする
折
(
おり
)
のことでございました、
母
(
はは
)
は
一振
(
ひとふり
)
りの
懐剣
(
かいけん
)
を
私
(
わたくし
)
に
手渡
(
わた
)
し
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それから、トルコ製だという短剣を見せられたが、その
一振
(
ひとふり
)
には、どう間違ったのか⦅刀工サヴェリイ・シビリャコフ⦆というロシア名の銘が刻んであった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
倒るゝ音大地を響かせり、立ち寄りてこれを見るに、果して百足の
蚿
(
むかで
)
なり、竜神はこれを悦びて、秀郷を様々に
饗
(
もてな
)
しけるに、太刀
一振
(
ひとふり
)
、
巻絹
(
まきぎぬ
)
一つ、鎧一領、頸
結
(
ゆ
)
うたる俵一つ
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
と金剛力を出して
一振
(
ひとふり
)
すると恐ろしい力、鳥居は
笠木
(
かさぎ
)
と
一文字
(
いちもんじ
)
が
諸
(
もろ
)
にドンと落ちた。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
四人
(
よにん
)
まで
投
(
な
)
げ
倒
(
たふ
)
したが、
第
(
だい
)
五
番目
(
ばんめ
)
にのつそりと
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た
露西亞
(
ロシヤ
)
の
陸軍士官
(
りくぐんしくわん
)
、
身
(
み
)
の
丈
(
た
)
け六
尺
(
しやく
)
に
近
(
ちか
)
く
阿修羅王
(
あしゆらわう
)
の
荒
(
あ
)
れたるやうな
男
(
をとこ
)
、
力任
(
ちからまか
)
せに
私
(
わたくし
)
の
兩腕
(
りよううで
)
を
握
(
にぎ
)
つて
一振
(
ひとふり
)
に
振
(
ふ
)
り
飛
(
と
)
ばさんず
勢
(
いきほひ
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
窪田清音は、立って、床脇から、彼の
鍛
(
う
)
った
一振
(
ひとふり
)
を取ってそれへ差出した。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第一
可恐
(
おそろし
)
いのは、明神の拝殿の
蔀
(
しとみ
)
うち、すぐの
承塵
(
なげし
)
に、いつの昔に奉納したのか
薙刀
(
なぎなた
)
が
一振
(
ひとふり
)
かかっている。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は裏木戸の外のちょっと人目につかぬ物蔭に
踞
(
しゃが
)
むと、泥と血に
塗
(
まみ
)
れた、
匕首
(
あいくち
)
を
一振
(
ひとふり
)
持って来ました。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は身仕度をすませると、壁の上の武器の中から、
頭椎
(
かぶつち
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
一振
(
ひとふり
)
とって、左の腰に結び下げた。それからまた炉の火の前へ行って、さっきのようにあぐらを
掻
(
か
)
いた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そりゃ刀でございます、名刀が
一振
(
ひとふり
)
かくしてあるんでございます」
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
紫玉はスツと立つて、手のはずみで
一振
(
ひとふり
)
振つた。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥