“さしこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刺子46.5%
射込20.9%
差込11.6%
揷込7.0%
挿込4.7%
刺込2.3%
差越2.3%
指込2.3%
鎖籠2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
刺子さしこ絆纒を着て、肩に長大なヤスを担いでくる。ヤスは、長さ二間半からある竹竿の先きに、鉄製の大きくて岩丈な叉手がはめてある。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
けつして超凡の人では無い………としたら、北側きたがわのスリガラスの天井てんじやうから射込さしこむ柔かな光線………何方かと謂へばノンドリした薄柔うすぐらひかりで、若い女の裸體を見てゐて
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
午後ひるすぎ庭に出て植込うえこみの間を歩くと、差込さしこむ日の光は梅やかえでなぞのかさなり合った木の葉をば一枚々々照すばかりか、苔蒸こけむす土の上にそれらの影をば模様のように描いています。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
初めては女のが宜い、おめえの顔を見たら形見かたみろうと思ってねえ、おれは枕元へ出したり引込ひっこましたりして、他人ひとに見られねえ様に布団の間へ揷込さしこんだり、種々いろ/\な事をして見付からねえように
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんでも赤鏽あかさびた鉄火鉢に炭火を入れてあって、それで煙管のやにを掃除する針金を焼いたり、また新しい羅宇竹を挿込さしこむ前にその端をこの火鉢の熱灰あつはいの中にしばらく埋めて柔らげたりするのであった。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
さうして豆腐とうふたびみづ刺込さしこむのがふるへるやうにみた。かさ/\に乾燥かわいたみづへつけるたびあかくなつた。ひゞがぴり/\といたんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
持せて先へ差越さしこし程なく寳珠花屋へ入來いりきたりしかば亭主は早速さつそく出迎いでむかへて座敷へしやうじしに醫師は四邊あたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
持ちたる故隨分ずゐぶん用心ようじんはすれども白晝ひるひなかの事なれば何心なく歩行あゆみきたりし所手拭てぬぐひにて顏をつゝみたる大の男三人あらはれいで突然ゆきなり又七に組付くみつくゆゑ又七は驚きながら振放ふりはなさんとる所を一人の男指込さしこ懷中くわいちうの金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠さしこめて、真直ますぐに長く東より西によこたはれる大道だいどうは掃きたるやうに物の影をとどめず、いとさびしくも往来ゆききの絶えたるに、例ならずしげ車輪くるまきしりは、あるひせはしかりし
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)