挿込さしこ)” の例文
しなに鏡台の曳出ひきだしから蟇口がまぐちを取出す時、村岡の手紙が目に触れたまま一緒に帯の間に挿込さしこんだ。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
なんでも赤鏽あかさびた鉄火鉢に炭火を入れてあって、それで煙管のやにを掃除する針金を焼いたり、また新しい羅宇竹を挿込さしこむ前にその端をこの火鉢の熱灰あつはいの中にしばらく埋めて柔らげたりするのであった。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)