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駈足
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かけあし
ふりがな文庫
“
駈足
(
かけあし
)” の例文
狂った頭を高々と
反
(
そ
)
らしながら事務室を出て行ったが、右へ折れると今度は
殆
(
ほとん
)
ど
駈足
(
かけあし
)
で、精神病患者の病棟の入口までやって来た。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
「今日の××小学校の遊戯はよく手が
揃
(
そろ
)
った」とか、「今日の△△小学校の
駈足
(
かけあし
)
競争で、今迄にない早い足の子がいた」とか
噂
(
うわさ
)
して
悦
(
よろこ
)
んでいた。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それから漱石氏はあまり
厭味
(
いやみ
)
のない気取った態度で
駈足
(
かけあし
)
をしてその的のほとりに落ち散っている矢を拾いに行って、それを拾ってもどってから肌を入れて
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
五人一緒に、右向け、左向け、
廻
(
まわ
)
れ右、すすめ、
駈足
(
かけあし
)
、とまれ、それからラジオ体操みたいなものをやって、最後に自分の姓名を順々に大声で報告して、終り。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼は、居留地の七番館の塀の蔭に、首を沈めて
屈
(
かが
)
んでいた。木刀を抑えた
駈足
(
かけあし
)
の巡査が、三、四名、眼の前を
掠
(
かす
)
めたが、
振
(
ふ
)
り
顧
(
かえ
)
ったひとりの眼が、トム公を見つけた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
駈足
(
かけあし
)
になって、列伝のように名だけをならべるが、京都の老妓
中西君尾
(
なかにしきみお
)
は、井上侯が
聞太
(
もんた
)
だった昔の
艶話
(
つやばやし
)
にすぎないとして、
下田歌子
(
しもだうたこ
)
女史は明治初期の女学、また
岸田俊子
(
きしだとしこ
)
明治大正美人追憶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今日は
睡
(
ねむ
)
いなあ、お母さん、今日は体操の時間にうんと
駈足
(
かけあし
)
をしたんで、睡いんですよ。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
駈足
(
かけあし
)
にせよ歩度を伸べたる驅足にせよ。燃ゆる毒は我脈を
循
(
めぐ
)
れり。そは世におそろしき戀の毒なり。異議なくば、あすをも待たで猶太の翁を訪へ。われ。そは餘りに無理なる
囑
(
たのみ
)
なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
人々は酒気を帯て、今御輿が町の上の方へ担がれて行ったかと思うと急に復た下って来る。五六十人の野次馬は狂するごとく叫び廻る。多勢の巡査や祭事掛は
駈足
(
かけあし
)
で一緒に附いて歩いた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先生は大きな目を
剥
(
む
)
いて見せて、またサツサと歩き出しました。私どもは
駈足
(
かけあし
)
で後へつゞいて行きました。そのとき先生の丈高い姿が、ほんたうの騎士屋のやうにたのもしく思はれました。
騎士屋
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
と
絣
(
かすり
)
の
衣服
(
きもの
)
の、あの
弟御
(
おとうとご
)
が、
廂帽子
(
ひさしばうし
)
を
横
(
よこ
)
ツちよに、
土間
(
どま
)
に
駈足
(
かけあし
)
で、
母樣
(
おつかさん
)
の
使
(
つかひ
)
に
來
(
き
)
て、
伸上
(
のびあが
)
るやうにして
布施
(
ふせ
)
する
手
(
て
)
から、
大柄
(
おほがら
)
な
老道者
(
らうだうじや
)
は、
腰
(
こし
)
を
曲
(
ま
)
げて、
杖
(
つゑ
)
を
持
(
も
)
つた
掌
(
たなそこ
)
に
受
(
う
)
けて、
奴
(
やつこ
)
と
兩方
(
りやうはう
)
へ
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さあ、カーン/\が鳴つたといふと、みんな大急ぎに
駈足
(
かけあし
)
で帰つて来ます。
先生と生徒
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
明治の初年に狂気のごとく
駈足
(
かけあし
)
で来た日本も、いつの間にか足もとを見て歩くようになり、内観するようになり、回顧もするようになり、内治のきまりも
一先
(
ひとま
)
ずついて、二度の戦争に領土は広がる
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
驚
(
おど
)
ろいて
二人
(
ふたり
)
とも、
次
(
つぎ
)
の一
里
(
り
)
を
駈足
(
かけあし
)
で
飛
(
と
)
んだこともあつた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼女はいつもびっくりした愁い顔で「はいはい」といい、
中腰
(
ちゅうごし
)
駈足
(
かけあし
)
でその用を足そうと努める。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
先生は、
庇
(
ひさし
)
の破れかゝつた学生帽をかぶり、短い
袴
(
はかま
)
に
薩摩下駄
(
さつまげた
)
といふいでたちで、先頭に立つてサツサと歩いて行かれます。私どもはなかば
駈足
(
かけあし
)
で、その後へついて行かねばなりませんでした。
騎士屋
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
いやどうも……柿の渋は一月半おくれても、草履は
駈足
(
かけあし
)
で時流に追着く。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
房枝は、両親と大切な生産力の一つである工場とを救わんがために、一命を捨てる決心をし、今爆薬の花籠を抱いて、爆発しても被害のすくない安全な場所を求めて死の
駈足
(
かけあし
)
をはじめたのであった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
遠足も今は
駈足
(
かけあし
)
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“駈”で始まる語句
駈
駈出
駈落
駈引
駈込
駈上
駈寄
駈下
駈付
駈廻