饗應もてなし)” の例文
新字:饗応
走るさまは、「コルソオ」の競馬にも似ずや。我家にゆき着かば、樂しき世を送らせん。神の使もえけぬやうなる饗應もてなしすべし。
四郎右衞門先々まづ/\引止ひきとめ下女に云付さけさかなを出し懇切ねんごろ饗應もてなして三郎兵衞を歸しけり其後三月十日に三郎兵衞二十兩加賀屋へ持參ぢさん先達せんだつての禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
百姓ひやくしやういそがしい田植たうゑをはれば何處どこいへでもあき收穫しうくわく準備じゆんびまつたほどこされたので、各自かくじらうねぎらため相當さうたう饗應もてなしおこなはれるのである。それ早苗振さなぶりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
乙給仕 饗應もてなし式作法しきさはふさいを、一人ひとり二人ふたりの、あらひもせぬでしてのくるやうでは、むさいことぢゃ。
談話はなし聽人きゝてみな婦人ふじんで、綺麗きれいひと大分だいぶえた、とたちのであるから、羊羹やうかんいちご念入ねんいりむらさき袱紗ふくさ薄茶うすちや饗應もてなしまであつたが——辛抱しんばうをなさい——さけふものは全然まるでない。が、かねての覺悟かくごである。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その饗應もてなしを受けさへすればよかつたのです。
拂ひ外に茶代として二百疋を遣はしければ此たびは亭主もいなみ難く受納め酒肴など出して饗應もてなしけれども忠八はお花等が行方ゆくへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
カピ長 婚儀こんぎためにと準備よういした一さい役目やくめへて葬儀さうぎよういはひのがくかなしいかね、めでたい盛宴ちさう法事ほふじ饗應もてなしたのしい頌歌しょうかあはれな挽歌ばんか新床にひどこはなはふむ死骸なきがらようつ。
夫の詞少きとはうらうへにて、この媼はめづらしき饒舌ぜうぜつなり。そなたは薊生ふる沙原より、われ等に授けられたるイスマエル(亞伯拉罕アブラハムの子)なるぞ。されどわが饗應もてなしには足らぬことあらせじ。
饗應もてなしけり十兵衞は長庵に向ひ御馳走中ごちそうちう申上るも如何なれどかねて手紙にて申上たる次第につき娘文を同道せり何卒御忙敷おいそがしくも御都合なされ娘をよき所へ早々さう/\御世話下されとなみだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)