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餘暇
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よか
必ず
朝夕の
餘暇には、
二階の
窓より、
家外の
小丘より、また
海濱の
埠頭より、
籠手を
翳して
遙かなる
海上を
觀望せられん
事を。
佐伯の
叔母も
安之助も
其後頓と
宗助の
宅へは
見えなかつた。
宗助は
固より
麹町へ
行く
餘暇を
有たなかつた。
又夫丈の
興味もなかつた。
親類とは
云ひながら、
別々の
日が
二人の
家を
照らしてゐた。
大佐や
少年や
其他三十
有餘名の
水兵等が
趣味ある
日常の
生活のさま/″\、
晨には
星を
戴いて
起き、
夕には
月を
踏んで
歸る、
其職務の
餘暇には、
睦まじき
茶話會、
面白き
端艇競漕
たゞ
公務の
餘暇ある
一團の
士官水兵等が
吾等を
唯ある
船室に
導き、
濡れたる
衣服を
脱がせ、
新しき
衣服を
與へ、
中にも
機轉よき一
士官は
興奮の
爲にと、
急ぎ「ブランデー」の一
杯をさへ
惠んで
呉れた。