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開鑿
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かいさく
ふりがな文庫
“
開鑿
(
かいさく
)” の例文
ところが、敵が正攻法による包囲を選んで、最初の平行
壕
(
ごう
)
を
開鑿
(
かいさく
)
するのを見ると、その識者連が大喜びに喜んで、安心したという話です。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
火星の人は地質的困難に打勝ために赤道直下の砂漠地帯に北極と南極とから二条の運河を
開鑿
(
かいさく
)
して、雪溶けの水を、砂漠に流し込んでいる。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
わたくしはこれに
因
(
よ
)
って、初めて放水路
開鑿
(
かいさく
)
の大工事が、既に荒川の上流において着手せられていることを知ったのである。
放水路
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もしかのレセップス氏が大計画なるパナマ地峡
開鑿
(
かいさく
)
の業はたして氏が予期するところのもののごとく一八八九年に成就し、二大洋の連絡を得
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
整理組合がそこいらまで道路を
開鑿
(
かいさく
)
したりしないうちに、今のこの景気の波がすぎてしまいやしないかという不安は、絶えず碌三の念頭にある。
昔の火事
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
七沢、砂沢、
十腰沢
(
とこしざわ
)
、そういった麓の地帯で、地の利を利用して、周囲何十町もある
大溜池
(
おおためいけ
)
の
開鑿
(
かいさく
)
工事がはじまった。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取りあえずサッポロ本府の建設と二三の道路の
開鑿
(
かいさく
)
、——そしてその次には、遊女屋の設置を計画しなければならないような考えで進められていたのか。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
普請奉行の
一木権兵衛
(
いちきごんべえ
)
は、一人の
下僚
(
したやく
)
を
伴
(
つ
)
れて普請場を見まわっていた。それは
室津港
(
むろつこう
)
の
開鑿
(
かいさく
)
工事場であった。
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そうして
緩々
(
ゆるゆる
)
その間に、壊れた地下道を修繕するもよし、新に
開鑿
(
かいさく
)
するもよし、手段はいくらもございます。その上で地下へ参ったなら、成功することと思われます
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
旧藩時代のさる名高い土木家が、北山の水を町にひくために
開鑿
(
かいさく
)
した水路だそうだが、いつも探さ一二尺ほどの
清冽
(
せいれつ
)
な水が、かなりな速度で、白砂の上を走っている。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
今年この尾根に林道を
開鑿
(
かいさく
)
したとの事であるが、それは恐らく頂上を通過するものではなく、甲武信小屋と十文字小屋とを連絡する中腹の道ではあるまいかと想像する。
思い出す儘に
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
また秀吉の時代に切った吉野川は昔は大阪の裏を流れておって人民を
艱
(
なや
)
ましたのを、堺と住吉の間に
開鑿
(
かいさく
)
しまして、それがために大和川の水害というものがなくなって
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ただ谷が
莫迦
(
ばか
)
に深かいのと
巌壁
(
がんぺき
)
を
開鑿
(
かいさく
)
して造った桟道とは
流石
(
さすが
)
に宏壮、雄大の景だと思われた。
大網
(
おおあみ
)
を過ぐればやがて
福渡
(
ふくわたり
)
。この辺の景色は絶景といっても差支えあるまい。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
水の尾村が主体となって法廷でようやく勝訴の判決を得て、水の尾村では近く、柳沼の水を水不足の沢谷郷方面へも供給すべく、水路の
開鑿
(
かいさく
)
工事を行う予定だということであった。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それほどこの新開地に内外人の借地の請求が
頻繁
(
ひんぱん
)
となって来た意味を通わせた。
大岡川
(
おおおかがわ
)
の
川尻
(
かわじり
)
から増徳院わきへかけて、長さ五百八十間ばかりの
堀川
(
ほりかわ
)
の
開鑿
(
かいさく
)
も始まったことを語った。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
パナマ地峡
開鑿
(
かいさく
)
の提案はすべてこれまで商民の偏狭な嫉妬心に妨げられて来た。
汽船が太平洋を横断するまで
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
流水の中にも
開鑿
(
かいさく
)
道路をさぐり行き、草むらの間にも正當な新道をたどり行くので、初めは苦しまぎれにずん/\先きに立つてゐた義雄は、つひに渠に從つて暗夜を僅かに進んで行つた。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
深さ十メートルの
塹壕
(
ざんごう
)
の中で働きながら、ウールクの主要水管を入れるための土堤を作ってクリシーの
隧道
(
すいどう
)
を掘り、更に、地すべりのする間を、多くはごく臭い
開鑿
(
かいさく
)
をやり支柱を施して
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
何らなすことなく
荏苒
(
じんぜん
)
と日を送り、島民に対しては不満を植えつけ、築港工事の怠業を煽動し、さらに、レナ三角洲の運河
開鑿
(
かいさく
)
工事を妨害するなど、広汎な反革命陰謀を遂行したのであります。
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
九年前、市九郎の勧進をこぞって
斥
(
しりぞ
)
けた山国川に添う七郷の里人は、今度は自発的に
開鑿
(
かいさく
)
の寄進に付いた。数人の石工が市九郎の事業を援けるために雇われた。もう、市九郎は孤独ではなかった。
恩讐の彼方に
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そして、「人間の力では、とても掘ることができない」とまでいわれた、あのテームス河の河底を、彼は、りっぱに
開鑿
(
かいさく
)
しておるではありませんか。地下鉄道と船喰虫! なんの因縁もなさそうです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
しかし曹操はこの期間に、数万の人夫を動員して、
淇水
(
きすい
)
の流れをひいて
白溝
(
はっこう
)
へ通じる運河の
開鑿
(
かいさく
)
を励ましていた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兵庫県と岡山県の境になった上郡と
三石
(
みいし
)
間の
隧道
(
トンネル
)
の
開鑿
(
かいさく
)
工事は、多くの犠牲者を出してようやく竣工しただけに、ここを通る汽車は、その車輪の音までが
隧道内の怪火
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかしてひとたびスエズ地峡
開鑿
(
かいさく
)
の大事業の一八六九年に成就したる以上はカルカッタはおろか東洋の極端なるわが日本にすら四十日内外にて達するを得べし。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
地下鉄道は既に京橋の北詰まで
開鑿
(
かいさく
)
せられ、銀座通には昼夜の別なく地中に鉄棒を打込む機械の音がひびきわたり、土工は商店の軒下に処嫌わず昼寝をしていた。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
然
(
しか
)
るに明治三十五年に大阪大林区署は黒部林道の
開鑿
(
かいさく
)
に着手して、同三十七年に竣工した。
黒部峡谷
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
パリー下水道の
開鑿
(
かいさく
)
は、決して
些々
(
ささ
)
たる仕事ではなかった。過去十世紀の間力を尽しながら、あたかもパリー市を完成することができなかったと同様に、それを完成することはできなかった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ちょうどその村の入り口に当たる木曾川のほとりに一軒の休み茶屋が見えるところまで行くと、
賤母
(
しずも
)
の森林地帯に沿うて
河
(
かわ
)
づたいに新しい県道を
開鑿
(
かいさく
)
しようとする工事も始まっているころであった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
すでに七分どおりまで
開鑿
(
かいさく
)
されているという関門海峡の海底トンネルは、ちょうど巌流島のすぐ傍の
弟子待
(
でしまつ
)
という小島で一度地表に出るようになるらしい。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
芳郎は
己
(
じぶん
)
の家に沿うた
坂路
(
さかみち
)
を登っていた。その附近の地所は皆葛西家の所有で、一面の
雑木林
(
ぞうきばやし
)
であったが、数年
前
(
ぜん
)
にその一部分を市へ寄附して坂路を
開鑿
(
かいさく
)
したものであった。
赤い花
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
針木
(
はりのき
)
峠は人も知る如く、明治九年に新道が
開鑿
(
かいさく
)
され、数年の後にそれが再び破壊されてしまってからは、籠川の河原や雪渓を辿ることなしに峠を通過することは殆んど不可能であった。
針木峠の林道
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
けれどそれらの深い
開鑿
(
かいさく
)
からいったい何が出て来るのか。
曰
(
いわ
)
く、未来が。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼の同僚は、彼の威勢に
圧
(
あっ
)
せられて
唯々
(
いい
)
たり、彼の下僚は、彼の意を迎合して
倉皇
(
そうこう
)
たり、天下の民心は、彼が
手剛
(
てごわ
)
き仕打に
聳動
(
しょうどう
)
せられて
愕然
(
がくぜん
)
たり。彼は
騎虎
(
きこ
)
の勢に乗じて、
印幡沼
(
いんばぬま
)
の
開鑿
(
かいさく
)
に着手せり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
その極楽寺坂は、
岬
(
みさき
)
の山の横腹を中断した
開鑿
(
かいさく
)
道路で、両がわ木も草もない岩壁だった。そのうえ前面の極楽寺川、針摺橋に二段陣地の
防寨
(
ぼうさい
)
を構築していた。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文化年中(多分六、七年頃であったように思う)越後の米を江戸に輸送する為に、舟運の許す限り上流まで、魚沼川と利根川とを利用し、清水峠を
開鑿
(
かいさく
)
して、二者を
聯絡
(
れんらく
)
しようと企てたものがあった。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
城郭
(
じょうかく
)
の井戸の
開鑿
(
かいさく
)
には、特別な技術がいるので、ただの井戸ほりではできない。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
開
常用漢字
小3
部首:⾨
12画
鑿
漢検1級
部首:⾦
28画
“開鑿”で始まる語句
開鑿者
開鑿工事
開鑿路