“福渡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふくわたり60.0%
ふくわた40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「三十日。晴。朝飯より人車三乗に而出立。亀の甲より歩行。又弓削(ゆげ)より人車。福渡(ふくわたり)より駕一挺。夕七時前間(あひ)の宿(しゆく)久保に而藤原沢次郎へ著。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ただ谷が莫迦(ばか)に深かいのと巌壁(がんぺき)を開鑿(かいさく)して造った桟道とは流石(さすが)に宏壮、雄大の景だと思われた。大網(おおあみ)を過ぐればやがて福渡(ふくわたり)。この辺の景色は絶景といっても差支えあるまい。
そこから自動車(乘り合ひ、一人前四圓)で五里半の道を四十五六分で鹽原の福渡(ふくわた)りと云ふ温泉場へ來た。その途々のいい風景は、日が暮れてゐたので、見られなかつた。
塩原日記 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
先づ大網(おほあみ)の湯を過(すぐ)れば、根本山(ねもとやま)、魚止滝(うおどめのたき)、児(ちご)ヶ淵(ふち)、左靱(ひだりうつぼ)の険は古(ふ)りて、白雲洞(はくうんどう)は朗(ほがらか)に、布滝(ぬのだき)、竜(りゆう)ヶ鼻(はな)、材木石(ざいもくいし)、五色石(ごしきせき)、船岩(ふないわ)なんどと眺行(ながめゆ)けば、鳥井戸(とりいど)、前山(まえやま)の翠衣(みどりころも)に染みて、福渡(ふくわた)の里に入(い)るなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)