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かどなみ
ふりがな文庫
“
門並
(
かどなみ
)” の例文
旧字:
門竝
薯蕷
(
じねんじやう
)
掘
(
ほ
)
る
九州
(
きうしゆう
)
の
山奥
(
やまおく
)
に
到
(
いた
)
るまで
石版画
(
せきばんゑ
)
と
赤本
(
あかほん
)
は
見
(
み
)
ざるの
地
(
ち
)
なしと
鼻
(
はな
)
うごめかして
文学
(
ぶんがく
)
の
功徳
(
くどく
)
無量広大
(
むりやうくわうだい
)
なるを
説
(
と
)
く
当世男
(
たうせいをとこ
)
殆
(
ほと
)
んど
門並
(
かどなみ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
コレラは
門並
(
かどなみ
)
といってよいほど荒したので、
葛湯
(
くずゆ
)
だの
蕎麦
(
そば
)
がきだの、すいとんだの、煮そうめんだの、熱いものばかり食べさせられた。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
見渡すところ
殆
(
ほとん
)
ど
門並
(
かどなみ
)
同じようなカッフェーばかり続いていて、うっかりしていると、どれがどれやら、知らずに通り過ぎてしまったり
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この小路の左右に並ぶ家には
門並
(
かどなみ
)
方一尺ばかりの穴を戸にあけてある。そうしてその穴の中から、もしもしと云う声がする。
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「やり切れねえな、
門並
(
かどなみ
)
だ。この様子だと、お常坊に気のないのは、柴井町の友次郎親分だけ、ってことになりはしないか」
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
曙町へはいると、ちょっと見たところではほとんど何事も起らなかったかのように森閑として、春のように朗らかな日光が
門並
(
かどなみ
)
を照らしている。
震災日記より
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
併
(
しか
)
し
此節
(
このせつ
)
は
門並
(
かどなみ
)
道具屋
(
だうぐや
)
さんが
殖
(
ふえ
)
まして、
斯様
(
かやう
)
な
品
(
しな
)
は
誰
(
だれ
)
も
見向
(
みむき
)
もしないやうになりましたから、
全然
(
まるで
)
値
(
ね
)
がないやうなもんでげす、
何
(
ど
)
うも
酷
(
ひど
)
く
下落
(
げらく
)
をしたもんで。
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とお城の方をながめながら
罵
(
ののし
)
り噪いでいます。これは今宵に限ったことではない、町の人はこの二三日の晩のある一定の時刻になると、こうして
門並
(
かどなみ
)
に立って
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は怪しく胸騒ぎのするような心持をもって、
門並
(
かどなみ
)
に立ててある青い竹の葉の枯れ
萎
(
しお
)
れたのが風に鳴るのを俥の上で聞いて行った。橋を渡り、電車路を横ぎった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先
(
ま
)
ず此の銀座通りだけでも、
門並
(
かどなみ
)
の商店に奉公して居る
丁稚
(
でっち
)
の
数
(
かず
)
は、幾百人幾千人あるか分らない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そこで、この一町内も
門並
(
かどなみ
)
に杭を打たれてしまふと、その月のお
彼岸
(
ひがん
)
過
(
す
)
ぎ——
廿八
(
にじゅうはち
)
日の晩でした。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
六は
門並
(
かどなみ
)
六七軒。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
神田の通りで、
門並
(
かどなみ
)
旗を立てて、もう暮の売出しを始めた事だの、
勧工場
(
かんこうば
)
で紅白の幕を張って楽隊に景気をつけさしている事だのを話した末
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大門通りも大丸からさきの方は、長谷川町、富沢町と大呉服問屋、
太物
(
ふともの
)
問屋が
門並
(
かどなみ
)
だが、ここらにも西陣の帯地や、
褂地
(
うちかけじ
)
などを扱う
大店
(
おおだな
)
がある。
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
平次と八五郎は、お妻の茶屋を出ると、
衣紋坂
(
えもんざか
)
を下って、五十間を
門並
(
かどなみ
)
に、大門前までいろいろの事を訊ね廻りました。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今なら重婚であるが、その頃は
門並
(
かどなみ
)
が殆んど一夫多妻で、妻妾一つ家に顔を列べてるのが一向珍らしくなかったのだから、女房を二人持っても格別不思議とも思われなかった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
それですから大方、天狗様の卵だろうということに、ほぼ多くの人の意見は一致して、それが毎晩、一定の時を定めて出て来ると、こうして町中総出の姿で、
門並
(
かどなみ
)
に立って見物するのであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その大工の子供や、紙屑屋の子供が、はやり病いで死んだのならば仕方がありません。
門並
(
かどなみ
)
に葬礼が出ても不思議がないんですが、そこに少し気になることがあったもんですから、八丁堀の旦那方に申し上げて、手を
半七捕物帳:39 少年少女の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「どうだ八、辻斬退治をする気はないか。こいつは十手捕縄の晴れだぜ。腕自慢のお武家が
門並
(
かどなみ
)
持て余した相手だ」
銭形平次捕物控:126 辻斬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
例刻
(
れいこく
)
に
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
神田
(
かんだ
)
の
通
(
とほ
)
りで、
門並
(
かどなみ
)
旗
(
はた
)
を
立
(
た
)
てゝ、もう
暮
(
くれ
)
の
賣出
(
うりだ
)
しを
始
(
はじ
)
めた
事
(
こと
)
だの、
勸工場
(
くわんこうば
)
で
紅白
(
こうはく
)
の
幕
(
まく
)
を
張
(
は
)
つて
樂隊
(
がくたい
)
に
景氣
(
けいき
)
を
付
(
つ
)
けさしてゐる
事
(
こと
)
だのを
話
(
はなし
)
した
末
(
すゑ
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この附近は下宿屋が
門並
(
かどなみ
)
といっていいほどあって、手すりに
手拭
(
てぬぐい
)
がどっさりぶらさがっていたり、寝具を干してある時もあるが、夕方などは、書生の顔が鈴なりになっているのだった。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「町内の三人娘へ、
門並
(
かどなみ
)
眼をつけるのは慾が深すぎるぜ、——三人とも手前が言い交したわけじゃあるめえ」
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
落合の
兄哥
(
あにき
)
に遠慮して、土地の若い男は、
門並
(
かどなみ
)
御遠慮申上げているんだ。お菊に
惚
(
ほ
)
れただけの男なら、
一束
(
ひとたば
)
や二束はあるが、お菊を手に入れたのは手前だけよ。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
商賣には飛んだ仕合せだが、世間體が惡いので腐つて居ますよ。尤も亭主の岩吉は名前は頑固だが飛んだ色師で、店中の娘と
門並
(
かどなみ
)
變な噂を立てられたりしますが、お茶汲みを
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そいつは善いあんべえだ、どうせ手を着けなきやならない、それを
門並
(
かどなみ
)
歩くとしようか」
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
稲荷の
社
(
やしろ
)
まで探して行きましたが、その辺には、佐吉の
烏金
(
からすがね
)
を借りて、ひどい目に逢わされている家は、
門並
(
かどなみ
)
の有様ですから、どこの娘をしょっ引いていいのか、縛ることを好きな万七も
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「十八貫はあるでせうね、どしり/\と歩くと、
門並
(
かどなみ
)
棚
(
たな
)
の上の物が落ちる」
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
並
常用漢字
小6
部首:⼀
8画
“門並”で始まる語句
門並揃