-
トップ
>
-
鐵道
>
-
てつだう
恁くて
又一
週間を
過ぎ、
遂にミハイル、アウエリヤヌヰチと
共に
郵便の
旅馬車に
打乘り、
近き
鐵道のステーシヨンを
差して、
旅行にと
出掛けたのである。
父さんが
東京へ
出る
時分には、
鐵道のない
頃ですから、
是非とも
木曽路を
歩かなければ
成りませんでした。
夫れでも
鐵道が
通ふやうに
成りましたら
度〻御出あそばして
下さりませうか、そうならば
嬉しけれどゝ
言ふ、
我れとても
行きたくてゆく
故郷でなければ、
此處に
居られる
物なら
歸るではなく
東京市の「
櫻田本郷町」を「
本郷町、
櫻田」としてはいけない。
鐵道の
驛名の「
羽前向町」を「
向町、
羽前」としてはいけない。
同じ
理由で「
伊東忠太」を「
忠太伊東」としてはいけないのである。
さう
馬が
言つて、さも
自慢さうに
首について
居る
鈴を
鳴らして
見せました。
父さんのお
家の
前は
木曾街道と
言つて、
鐵道も
汽車もない
時分にはみんなその
道を
歩いて
通りました。
現時の
見解及び
趣味を
見るに、六
號室の
如きは、
誠に
見るに
忍びざる、
厭惡に
堪へざるものである。
恁る
病室は、
鐵道を
去ること、二百
露里の
此の
小都會に
於てのみ
見るのである。