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邸宅
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やしき
ふりがな文庫
“
邸宅
(
やしき
)” の例文
その
富豪
(
かねもち
)
も皮肉哲学者に、自家の
邸宅
(
やしき
)
を自慢したいばかりに、飾り立てた
客室
(
きやくま
)
から、
数寄
(
すき
)
を凝らした
剪栽
(
うゑこみ
)
の隅々まで案内してみせた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
警官の方に来て戴いて
邸宅
(
やしき
)
を守ってなどいただいては、事があんまり大仰になり、世間一般に知れましたら良人が意気地なしに見えますし……
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは細いだら/\の坂路の両側とも、石やコンクリートの塀を廻したお
邸宅
(
やしき
)
ばかし並んでいるような閑静な通りであった。
子をつれて
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
まあ、君、
左様
(
そう
)
じゃないか。もし君が
壮大
(
おおき
)
な
邸宅
(
やしき
)
でも構えるという時代に、僕が困って行くようなことがあったら、其時は君、宜敷頼みますぜ。
朝飯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
然
(
しか
)
し
宗助
(
そうすけ
)
の
邸宅
(
やしき
)
を
賣
(
う
)
つて
儲
(
まう
)
けたと
云
(
い
)
はれては
心持
(
こゝろもち
)
が
惡
(
わる
)
いから、
是
(
これ
)
は
小六
(
ころく
)
の
名義
(
めいぎ
)
で
保管
(
ほくわん
)
して
置
(
お
)
いて、
小六
(
ころく
)
の
財産
(
ざいさん
)
にして
遣
(
や
)
る。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「どなたも! みんな来てください! 悪いやつが大勢、
邸宅
(
やしき
)
の庭にはいりこんでいますから。——
爺
(
じい
)
やッ、三吉ッ、お客様たちも来て下さい」
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
富豪
(
ものもち
)
の
家
(
いへ
)
では
蟲干
(
むしぼし
)
で、
大
(
おほ
)
きな
邸宅
(
やしき
)
はどの
部屋
(
へや
)
も一ぱい、それが
庭
(
には
)
まであふれだして
緑
(
みどり
)
の
木木
(
きゞ
)
の
間
(
あひだ
)
には
色樣々
(
いろさま/″\
)
の
高價
(
かうか
)
なきもの が
匂
(
にほ
)
ひかがやいてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
七月七日の夕べ、片岡中将の
邸宅
(
やしき
)
には、人多く
集
(
つど
)
いて、皆
低声
(
こごえ
)
にもの言えり。令嬢浪子の
疾
(
やまい
)
革
(
あらた
)
まれるなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
私は
某
(
ある
)
友人の紹介で、貴族エル
何某
(
なにがし
)
の別荘へ避暑かたがた遊びに行った事がある、その別荘は
倫敦
(
ロンドン
)
の街から九
哩
(
マイル
)
ばかり
距
(
はな
)
れた所にあるが、中々手広い立派な
邸宅
(
やしき
)
で
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今まで深く茂った大きな
常磐木
(
ときわぎ
)
の森の間に、王宮と向い合って立っていた紅木大臣の
邸宅
(
やしき
)
は
住居
(
すまい
)
も床も立ち樹もすっかり
黒焦
(
くろこげ
)
になってしまって、数限りなく立ち並んだ
焼木杭
(
やけぼっくい
)
の間から
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
古びた庭園や木立をそのままに広い
邸宅
(
やしき
)
を新築した。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
直ぐ
邸宅
(
やしき
)
の立派なのを欲しがるのと打つて変つて、今も
往時
(
むかし
)
も
宿屋
(
ホテル
)
の
室借
(
まがり
)
で、その全財産を鞄一つに
蔵
(
をさ
)
めてけろりとしてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは細いだら/\の坂路の兩側とも、石やコンクリートの塀を𢌞したお
邸宅
(
やしき
)
ばかし並んでゐるやうな閑靜な通りであつた。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
少し、きかない家来などがいると、忠義だてして
闘
(
あらそ
)
うので、
邸宅
(
やしき
)
はたちまち火を
放
(
つ
)
けられて焼かれてしまう。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
叔母
(
をば
)
の
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
によると、
宗助
(
そうすけ
)
の
邸宅
(
やしき
)
を
賣拂
(
うりはら
)
つた
時
(
とき
)
、
叔父
(
をぢ
)
の
手
(
て
)
に
這入
(
はい
)
つた
金
(
かね
)
は、
慥
(
たしか
)
には
覺
(
おぼ
)
えてゐないが、
何
(
なん
)
でも、
宗助
(
そうすけ
)
のために、
急場
(
きふば
)
の
間
(
ま
)
に
合
(
あは
)
せた
借財
(
しやくざい
)
を
返
(
かへ
)
した
上
(
うへ
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いやはや余り結構づくめなお
邸宅
(
やしき
)
なんで、
唾
(
つばき
)
が吐きたくなつても、何処にも恰好な場所が見つからないもんですから、ついお顔を汚しましたやうな訳で……」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
岡本の
邸宅
(
やしき
)
へ着いた時、お延はまた偶然叔父の姿を玄関前に
見出
(
みいだ
)
した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助の
邸宅
(
やしき
)
を売払った時、叔父の手に
這入
(
はい
)
った金は、たしかには覚えていないが、何でも、宗助のために、急場の間に合せた借財を返した上、なお四千五百円とか四千三百円とか余ったそうである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある人の
邸宅
(
やしき
)
を借り入れたのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“邸宅”の意味
《名詞》
邸宅(ていたく)
大きな立派な住居。
(出典:Wiktionary)
“邸宅”の解説
邸宅(ていたく、英:mansion)は、大きな住居・住宅の意。
(出典:Wikipedia)
邸
常用漢字
中学
部首:⾢
8画
宅
常用漢字
小6
部首:⼧
6画
“邸宅”で始まる語句
邸宅街