-
トップ
>
-
保管
然し
宗助の
邸宅を
賣つて
儲けたと
云はれては
心持が
惡いから、
是は
小六の
名義で
保管して
置いて、
小六の
財産にして
遣る。
宗助は
序だから、それと
同時に、
叔父に
保管を
頼んだ
書畫や
骨董品の
成行を
確かめて
見た。すると、
叔母は
小六の
名義で
保管されべき
財産は、
不幸にして、
叔父の
手腕で、すぐ
神田の
賑やかな
表通りの
家屋に
變形した。さうして、まだ
保險を
付けないうちに、
火事で
燒けて
仕舞つた。