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跟
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あと
ふりがな文庫
“
跟
(
あと
)” の例文
さうすると
麥
(
むき
)
を
刈
(
か
)
つた
跟
(
あと
)
の
菽
(
まめ
)
や
陸穗
(
をかぼ
)
が
渇
(
かつ
)
した
口
(
くち
)
へ
冷
(
つめ
)
たい
水
(
みづ
)
を
獲
(
え
)
た
樣
(
やう
)
に
勢
(
いきほひ
)
づいて、四五
日
(
にち
)
の
内
(
うち
)
に
青
(
あを
)
い
葉
(
は
)
を
以
(
もつ
)
て
畑
(
はたけ
)
の
土
(
つち
)
が
寸隙
(
すんげき
)
もなく
掩
(
おほ
)
はれる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其隙
(
そのひま
)
に私は
面
(
かお
)
を洗う、飯を食う。それが済むと、今度は
学校
(
がっこう
)
へ行く段取になるのだが、此時が一日中で一番私の苦痛の時だ。ポチが
跟
(
あと
)
を追う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
常に馴れたる近隣の飼犬のこの頃は余を見ても尾を振りもせず
跟
(
あと
)
をも追はず、その傍を打通れば鼻つらをさしのべて臭ひを
嗅
(
か
)
ぐのみにて
余所
(
よそ
)
を向く
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そは土器表面
押
(
お
)
し付け
模樣
(
もよう
)
の中に撚りを掛けたる
紐
(
ひも
)
の
跟
(
あと
)
有るを以て
推察
(
すゐさつ
)
せらる。撚りの有無と
絃
(
つる
)
の
強弱
(
きよじやく
)
との關係は僅少の
經驗
(
けいけん
)
に由つても
悟
(
さと
)
るを得べき事なり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
名所圖繪を
繙
(
ひもと
)
きても、其頃は
路
(
みち
)
嶮に、
溪
(
けい
)
危
(
あやう
)
く、少しく意を用ゐざれば、千
尋
(
じん
)
の
深谷
(
しんこく
)
に
墮
(
お
)
つるの憂ありしものゝ如くなるを、
纔
(
わづ
)
かに百餘年を隔てたる
今日
(
こんにち
)
、
棧橋
(
かけはし
)
の
跟
(
あと
)
なく
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
「上様は可愛がってくださいました……紗のような天蓋が蔽うていて、忍びやかに匂う
香料
(
においもの
)
の、薄い煙りの漂う中で……でも上様のお
腕
(
かいな
)
にも、そうして妾の腕にも、刺された銀の針の
跟
(
あと
)
が、赤くついておりましたわねえ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
跟
(
あと
)
をつけて
行
(
ゆ
)
くのも知らずに。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼
(
め
)
もいたましき傷の
跟
(
あと
)
。
小曲二十篇
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
で、母が来いと云うから、
跟
(
あと
)
に
随
(
つ
)
いて
怕々
(
こわごわ
)
奥へ行って見ると、父は未だ居る医者と何か話をしていたが、私の
面
(
かお
)
を見るより、何処へ行って居た。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
現に
稍々
(
やや
)
大なる
石材
(
せきざい
)
を
打
(
う
)
ち
壞
(
くだ
)
き
押
(
お
)
し
缺
(
か
)
きて
漸次
(
ざんじ
)
目的
(
もくてき
)
の
形状
(
けいじやう
)
とせし
跟
(
あと
)
を
認
(
みと
)
むるを得るなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
それまではお勢の言動に一々目を
注
(
つ
)
けて、その狂う
意
(
こころ
)
の
跟
(
あと
)
を
随
(
した
)
いながら、我も
意
(
こころ
)
を狂わしていた文三もここに至って
忽
(
たちま
)
ち道を失って暫く思念の
歩
(
あゆみ
)
を
留
(
とど
)
めた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何処へ何しに
行
(
い
)
くのだか、分っているような、分っていないような、変な
塩梅
(
あんばい
)
だったが、私は何だか分ってる
積
(
つもり
)
で、
従弟
(
いとこ
)
の
跟
(
あと
)
に
従
(
つ
)
いて行くと、人が大勢車座になっている明かるい座敷へ来た。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
跟
漢検1級
部首:⾜
13画
“跟”を含む語句
跟随
蹌跟
其跟
刀跟
後跟
血跟
跟尾
跟跡
跟蹌