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講中
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こうじゅう
ふりがな文庫
“
講中
(
こうじゅう
)” の例文
丁度十月十二日池上のお
籠
(
こも
)
りで、唯今以て盛りまするが、昔から実に大した
講中
(
こうじゅう
)
がありまして、法華宗は講中の気が揃いまして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところが廊下でかなり
騒
(
ざわ
)
ついたのは昨日からの客がかなり混み合っているようで、それに旅館の方でも例の
講中
(
こうじゅう
)
式団体客並みに何でも一坪に二
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
人形使 されば、この土地の人たちはじめ、諸国から
入込
(
いりこ
)
んだ
講中
(
こうじゅう
)
がな、
媼
(
ばば
)
、
媽々
(
かかあ
)
、
爺
(
じい
)
、孫、
真黒
(
まっくろ
)
で、とんとはや
護摩
(
ごま
)
の煙が渦を巻いているような騒ぎだ。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
里宮の神職と
講中
(
こうじゅう
)
の宿とを兼ねたこの禰宜の古い家は、木曾福島から四里半も奥へはいった
山麓
(
さんろく
)
の位置にある。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ガラッ八は吉三郎の家を宵まで見張りましたが、町内の百万遍の
講中
(
こうじゅう
)
が来たのと、お通夜の小坊主が、お義理だけの経をあげた外には、何の変りもありません。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「身延の
道者
(
どうじゃ
)
ならば
講中
(
こうじゅう
)
とか
連
(
つれ
)
とかいうものがありそうなもの、一人で出て歩くというは
怪
(
け
)
しからん」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
辰爺さんが
音頭
(
おんど
)
をとりながら先に立つ。鉦がガァンと鳴る。
講中
(
こうじゅう
)
が「南無阿弥陀ァ仏」と和する。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ただ
講中
(
こうじゅう
)
の人々が念仏を教えられたというまでであり、親しい友だちが月に一度または二月に一度、集まって
夜籠
(
よごも
)
りをする慣例の方が、もっと古かったのではないかと私は思っている。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
おぬい 兄さんは
講中
(
こうじゅう
)
の方とご一緒に、お伊勢様へ参って居ります。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
街道には、
伊勢参宮
(
いせさんぐう
)
の
講中
(
こうじゅう
)
なぞが群がり集まるころである。木曾路ももはや全く以前のような木曾路ではない。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ほんに、もうお十夜だ——気むずかしい治兵衛の
媼
(
ばば
)
も、やかましい芸妓屋の親方たちも、ここ
一日
(
いちんち
)
二日
(
ふつか
)
は
講中
(
こうじゅう
)
で出入りがやがやしておるで、その
隙
(
ひま
)
に
密
(
そっ
)
と逢いに行ったでしょ。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そう
突
(
つッ
)
かゝって来られちゃア困るぜ、吉原にも成田の
講中
(
こうじゅう
)
が極ってゝ、
正
(
しょう
)
五九月には参詣に
往
(
い
)
くのに、お前達も成田街道で
御飯
(
おまんま
)
ア喰ってる人間じゃアねえか、
私
(
わっし
)
は吉原の
幇間
(
ほうかん
)
で
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なんだお前もお種の
講中
(
こうじゅう
)
か」
銭形平次捕物控:349 笛吹兵二郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
御休処
(
おやすみどころ
)
とした古い看板や、あるものは青くあるものは茶色に諸
講中
(
こうじゅう
)
のしるしを染め出した下げ札などの掛かった茶屋の軒下から、往来一つ隔てて向こうに
翁塚
(
おきなづか
)
が見える。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あれ
引摺出
(
ひきずりだ
)
せと
講中
(
こうじゅう
)
、
肩衣
(
かたぎぬ
)
で三方にお
捻
(
ひねり
)
を積んで、ずらりと並んでいやがったが、七八人
一時
(
いっとき
)
に立上がる。
忌々
(
いまいま
)
しい、可哀そうに
老人
(
としより
)
をと思って
癪
(
しゃく
)
に障ったから、おいらあな
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
種々
(
いろ/\
)
信心がありまして、全体
毎年
(
まいねん
)
講中
(
こうじゅう
)
がありまして、五六人ぐらいで木曾の
御獄様
(
おんたけさま
)
へ
参詣
(
さんけい
)
をいたしますが、村の者の申し合せで、
先達
(
せんだつ
)
さんもお
出
(
いで
)
になったもんだから、同道してまいりやした
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
土地柄らしく掛けてある諸
講中
(
こうじゅう
)
の下げ札なぞの目につくところから、土間づたいに広い
囲炉裏
(
いろり
)
ばたへ上がって見た時は、さかんに
松薪
(
まつまき
)
の燃える
香気
(
におい
)
が彼の鼻の先へ来た。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その黒目勝なのを
睜
(
みは
)
ったお妙は、鶯の声を見る時と
同一
(
おんなじ
)
な可愛い顔で、路地に立って
眗
(
みま
)
わしながら、
橘
(
たちばな
)
に井げたの紋、堀の内
講中
(
こうじゅう
)
のお札を並べた、
上原
(
かんばら
)
と姓だけの
門札
(
かどふだ
)
を
視
(
なが
)
めて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……奥沢の
九品仏
(
くほんぶつ
)
へ、
廓
(
くるわ
)
の
講中
(
こうじゅう
)
がおまいりをしたのが、あの辺の露店の、ぼろ市で、着たのはくたびれた浴衣だが、白地の
手拭
(
てぬぐい
)
を吉原かぶりで、色の浅黒い、すっきり鼻の
隆
(
たか
)
いのが
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御休処
(
おやすみどころ
)
とした古い看板、あるものは青くあるものは茶色に諸
講中
(
こうじゅう
)
のしるしを染め出した下げ札、それらのものの軒にかかった新茶屋で、美濃から来たもの同志こんなことを語り合った。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
講中
(
こうじゅう
)
というものを組織して、この山へ導いて来たのがあの人たちなんだね。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
大神宮様のお
庇
(
かげ
)
で、
繁昌
(
はんじょう
)
をいたしまするが、旧の
大晦日
(
おおみそか
)
と申しますと、諸国の
講中
(
こうじゅう
)
、
道者
(
どうじゃ
)
、
行者
(
ぎょうじゃ
)
の
衆
(
しゅ
)
、京、大阪は申すに及びませぬ、夜一夜、古市でお
籠
(
こもり
)
をいたしまして、元朝、宇治橋を渡りまして
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
旧暦四月はじめの旅するによい季節を迎えて、上り下りの諸
講中
(
こうじゅう
)
が通行も多い。
伊勢
(
いせ
)
へ、
金毘羅
(
こんぴら
)
へ、または善光寺へとこころざす
参詣者
(
さんけいしゃ
)
の団体だ。奥筋へと入り込んで来る中津川の商人も見える。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“講中”の意味
《名詞》
信仰の講社をつくり、社寺に参詣する仲間。
頼母子講などの仲間。
(出典:Wiktionary)
講
常用漢字
小5
部首:⾔
17画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“講中”で始まる語句
講中宿
講中手拭