詰寄つめよ)” の例文
詰寄つめよる。若旦那わかだんなを、美少年びせうねんはうからむかへるやうに、じつとにぎる、とさきからゆきつて、ふたゝ白衣びやくい美女びぢよかはつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よいまかせて詰寄つめよりました。すると母は僕の剣幕の余り鋭いので喫驚びっくりして僕の顔を見てるばかり、一言も発しません。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
れはういふ子細しさいでとちゝはゝ詰寄つめよつてとひかゝるにいままではだまつてましたれどわたしうち夫婦めをとさしむかひを半日はんにちくださつたら大底たいてい御解おわかりになりませう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ついに、かいつむりは再び同じ水には浮かんで来なかった。和泉の国人は詰寄つめよっていった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
私たち後輩へのき教訓になるような気がすると、前回に於いても申述べて置いたはずであるが、そんなら一体どんな教訓になるのか、一言でいえば何か、と詰寄つめよられると、私は困却するのである。
花吹雪 (新字新仮名) / 太宰治(著)
何故なぜだ。」と、重太郎は息をはずませて詰寄つめよった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
... 云うな賽転などなら誰が見ても証拠品と思うワな己の目附めっけたのは未だズット小さいものだ細い者だ」大鞆は益々詰寄つめより「エ何だれ程細い者だ(谷)きかせるのじゃ無いけれど君だから打明けるが実は髪の毛だ、夫も唯一本アノ握ッた手に附て居たから誰も知らぬ先に己がコッソリ取ッて置た」大鞆は心の中にてひそかに笑を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
小雨こさめのかゝるやうに、水筋みづすぢつほど、いくらでも、といふ……なかばから、緑蝶夫人ろくてふふじんめて、ひとみせ、もう一人ひとりてのひらをひら/\うごかし、じり/\と卓子台ちやぶだい詰寄つめよると
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにが、何者なにものるんだ。』と雪枝ゆきえ苛立いらだつてひし詰寄つめよる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
逆立さかだつて、またじり〻と詰寄つめよる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)