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おやもと
ふりがな文庫
“
親許
(
おやもと
)” の例文
『
良人
(
おっと
)
は
自分
(
じぶん
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まえ
)
で
打死
(
うちじに
)
したではないか……
憎
(
にく
)
いのはあの
北條
(
ほうじょう
)
……
縦令
(
たとえ
)
何事
(
なにごと
)
があろうとも、
今更
(
いまさら
)
おめおめと
親許
(
おやもと
)
などに……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「まあ、何がどうしたことやら、
仔細
(
しさい
)
も聞かずに去状もらいましたと
親許
(
おやもと
)
へ戻る女がありましょうか、お戯れにも程がありまする」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「よせ」と去定は女主人に云った、「こんな猿芝居はたくさんだ、それよりこの子を
親許
(
おやもと
)
へ帰すがいい、親はどこにいるんだ」
赤ひげ診療譚:05 徒労に賭ける
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それで梅をせき立てて、
親許
(
おやもと
)
に返して遣ったのである。邪魔になる末造は千葉へ往って泊る。女中の梅も親の家に帰って泊る。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
親許
(
おやもと
)
は
厚木
(
あつぎ
)
だそうで、人をやって調べましたが、其処には寄りつかず、
請人
(
うけにん
)
は竹町の福屋甚兵衛という紙屋ですが、其処へも顔を見せません。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
再婚の話を私に持ち出したのは、
小夜
(
さよ
)
の
親許
(
おやもと
)
になっていた校長で、これが純粋に私のためを計った結果だと申す事は私にもよく呑み込めました。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
どの道訳を立ていでは、主人方へ帰られる身体ではござりませぬで、一まず、秋谷の
親許
(
おやもと
)
へ届ける相談にかかりましたが、またこのお荷物が、御覧の通りの大男。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何しろ二人とも
親許
(
おやもと
)
をはなれている少年だったので、おこづかいは十分というわけには行かなかった。
火星探険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
世間でかれこれ云うばかりでなく、お由の
親許
(
おやもと
)
でも不承知で、娘の死骸を素直に引き取らない。
半七捕物帳:55 かむろ蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
芸妓
(
げいぎ
)
、遊女、茶屋女、その他何であるにしろ、いったん身売りの証文に判をついた以上、きれいに
親許
(
おやもと
)
と
縁
(
えん
)
を切るのが習慣であり、その後の娘はいわゆる「
喰焼
(
くいやき
)
奉公人」として
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
聞
(
きゝ
)
甚
(
はなは
)
だ
妬
(
ねた
)
ましく思ひ
其事柄
(
そのことがら
)
を主人へ
告
(
つげ
)
ければ
不義
(
ふぎ
)
は
家
(
いへ
)
の
法度
(
はつと
)
なりとて兩人共
暇
(
いとま
)
となりしかば右膳は女を
親許
(
おやもと
)
より
貰
(
もら
)
ひ
受
(
うけ
)
古郷
(
こきやう
)
の奈良へ
連戻
(
つれもど
)
りしに父は大いに
立腹
(
りつぷく
)
なし勘當せしかば
止
(
やむ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
親許
(
おやもと
)
から月々いくらかの仕送りを受けることの出来る彼は、職業を離れても別に生活には困らないのです。一つはそういう安心が、彼をこんな気まま者にして了ったのかも知れません。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
数子 無論、
親許
(
おやもと
)
の事情つていふわけはないね。両親はないんだし……。
秘密の代償
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「奢る! そうなれば道庵もこうして踏み倒されてばかりはいねえ。そうしてなにかい、
親許
(
おやもと
)
はいったいどこで、いつ来てくれるんだろう」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
して、もし
捉
(
つか
)
まったときは、これこれのわけだからと、
親許
(
おやもと
)
へ知らせて呉れと云って、うん、……ぽろぽろ泣いたもんだった
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
内儀の余野は亭主とお房の間を
割
(
さ
)
こうとしたが、亭主の造酒助がどうしても承知しない。
親許
(
おやもと
)
の無いお房もまた、何処へ行く当ても無かったのだろう。
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
目を
煩
(
わず
)
らって、しばらく
親許
(
おやもと
)
へ、
納屋
(
なや
)
同然な二階借りで引き
籠
(
こ
)
もって、内職に、娘子供に
長唄
(
ながうた
)
なんか、さらって暮らしていなさるところへ、思い余って、細君が訪ねたのでございます。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
江戸者ではいけない、なんでも
親許
(
おやもと
)
は江戸から五里七里は離れている者でなければいけない。年が若くて、
寡言
(
むくち
)
で正直なものに限る。それから一つは一年の出代りで
無暗
(
むやみ
)
に動くものでは困る。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
持參成れし成ずや夫等の事
柄
(
がら
)
よもお忘れも仕給ふまじ夫より後も參られて
姪
(
めひ
)
の小夜衣が
木場
(
きば
)
の客へ
俄
(
には
)
かに受出さるゝことに成夫に付
親許
(
おやもと
)
身受にすれば
元金
(
もときん
)
五十兩にて苦界を出らるゝ故其五十兩の金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「さあ、その
親許
(
おやもと
)
だが」
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その悪辣の手段というのは、女を盗み出すことじゃ、女を盗み出しておいて、
親許
(
おやもと
)
を説き落してそれから談判させるのだ。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宿場女郎が自殺をすると、
親許
(
おやもと
)
が
身代金
(
みのしろきん
)
をとられたり、いろいろひどい目に遇わされる。お女郎の自殺を禁止するという法律があって、ここまで人間の意志を束縛する法律は日本以外どこにもない。
平次と生きた二十七年
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
近江屋へ奉公するにもその伯父さんが
親許
(
おやもと
)
だった。
金五十両
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「これが
親許
(
おやもと
)
は。」綾子答えて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「だが、一概にはいえない。花魁の借金が案外すくないようならば、
親許
(
おやもと
)
身請けとでもいうことにして、なるべく眼立たないようにすれば、千両の半分でも話が付かないとも限らないが……。いったい花魁の借金はどの位あるんだろう」
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その
親許
(
おやもと
)
が今日見えまして、連れて帰りたいということでございますから、さっそく道庵先生へお話を致しますると、先生は当家様へお頼み申してあるとおっしゃって
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
よくまあ、
昼日中
(
ひるひなか
)
、その面をさげて大江戸の真中が歩けたもんだ、
口惜
(
くや
)
しいと思ったら、
親許
(
おやもと
)
へ持ち込むんだね、親許へ持ち込んで、
雑作
(
ぞうさく
)
をし直してもらって出直すんだ
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
東雲
(
しののめ
)
が病気で
親許
(
おやもと
)
へ戻っているというのは嘘だ、
身請
(
みう
)
けをされてしまったのだ、という暗示は、馬鹿でない限り
合点
(
がてん
)
のゆかねばならぬことです。この絶望と、今までの自分の血迷いかげん。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
親
常用漢字
小2
部首:⾒
16画
許
常用漢字
小5
部首:⾔
11画
“親”で始まる語句
親
親戚
親父
親爺
親仁
親子
親切
親方
親類
親身