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襟脚
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えりあし
ふりがな文庫
“
襟脚
(
えりあし
)” の例文
その
透
(
す
)
きとおるほど白い顔、その
細
(
ほっ
)
そりした
襟脚
(
えりあし
)
に気がついて、お品は、あ、うっかり悪いことをいったと心の奥で後悔する。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
庭の
桐
(
きり
)
の
木
(
き
)
の
葉崩
(
はくず
)
れから、カサコソと捲きおこる秋風が呉子さんの
襟脚
(
えりあし
)
にナヨナヨと生え並ぶ
生毛
(
うぶげ
)
を吹き倒しても
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
じッと、
釘
(
くぎ
)
づけにされたように、
春信
(
はるのぶ
)
の
眼
(
め
)
は、おせんの
襟脚
(
えりあし
)
から
動
(
うご
)
かなかった。が、やがて
静
(
しず
)
かにうなずいたその
顔
(
かお
)
には、
晴
(
は
)
れやかな
色
(
いろ
)
が
漂
(
ただよ
)
っていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「五六町追っかけたが、女のくせに恐ろしく足が
早
(
はえ
)
え、——それに
御守殿
(
ごしゅでん
)
崩しの
襟脚
(
えりあし
)
がめっぽう綺麗だ」
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
寒いとも暑いともさらに感じなく過ごして来た葉子は、雨が
襟脚
(
えりあし
)
に落ちたので初めて寒いと思った。関東に時々襲って来る時ならぬ冷え
日
(
び
)
でその日もあったらしい。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
背
(
うしろ
)
には
綿
(
わた
)
の
厚
(
あつ
)
い、ふつくりした、
竪縞
(
たてじま
)
のちやん/\を
着
(
き
)
た、
鬱金木綿
(
うこんもめん
)
の
裏
(
うら
)
が
見
(
み
)
えて
襟脚
(
えりあし
)
が
雪
(
ゆき
)
のやう、
艶氣
(
つやけ
)
のない、
赤熊
(
しやぐま
)
のやうな、ばさ/\した、
餘
(
あま
)
るほどあるのを
天神
(
てんじん
)
に
結
(
ゆ
)
つて
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さも口惜しそうに目を
湿
(
うる
)
ませた。さすがに生え抜きの江戸育ちの、憤ろしさに抜けるほど白い
襟脚
(
えりあし
)
が止む景色なく慄えていた。折柄またパチパチパパパパパと続けざまに小銃の音が
弾
(
はじ
)
けてきた。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
けれど日本左衛門も暫くは無言で、彼女の
襟脚
(
えりあし
)
を眺めながら、彼女の心を読もうとするものの如き眼ざしであります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
背
(
うしろ
)
には
綿
(
わた
)
の厚い、ふっくりした、
竪縞
(
たてじま
)
のちゃんちゃんを着た、
鬱金木綿
(
うこんもめん
)
の裏が見えて
襟脚
(
えりあし
)
が雪のよう、
艶気
(
つやけ
)
のない、
赤熊
(
しゃぐま
)
のような、ばさばさした、余るほどあるのを
天神
(
てんじん
)
に
結
(
ゆ
)
って
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やっと、膝を離れたが、またガックリとうつむいた
襟脚
(
えりあし
)
が、夕顔のように、ほの
白
(
じろ
)
い。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
庵室
(
あんじつ
)
の客人が、
唯今
(
ただいま
)
申す
欄干
(
らんかん
)
に腰を掛けて、おくれ
毛越
(
げごし
)
にはらはらと
靡
(
なび
)
いて通る、雪のような
襟脚
(
えりあし
)
を見送ると、今、
小橋
(
こばし
)
を渡った
処
(
ところ
)
で、中の
十歳
(
とお
)
位のがじゃれて、その腰へ
抱
(
だ
)
き着いたので
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白い
襟脚
(
えりあし
)
がのびるだけのびて、頭巾の
端
(
はし
)
がタラリとなやましげに——。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
着た
衣
(
きぬ
)
は雪の下なる薄もみじで、
膚
(
はだ
)
の雪が、かえって薄もみじを包んだかと思う、深く脱いだ
襟脚
(
えりあし
)
を、すらりと引いて
掻
(
か
)
き合わすと、ぼっとりとして膝近だった
懐紙
(
かみ
)
を取って、くるくると丸げて
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
襟脚
(
えりあし
)
長く
玉
(
たま
)
を
伸
(
の
)
べて、
瑩沢
(
つややか
)
なる黒髪を高く結んだのに、
何時
(
いつ
)
の間にか一輪の
小
(
ちいさ
)
な花を
簪
(
かざ
)
していた、
褄
(
つま
)
はずれ、
袂
(
たもと
)
の端、
大輪
(
たいりん
)
の菊の色白き中に
佇
(
たたず
)
んで、高坂を待って、
莞爾
(
にっこ
)
と
笑
(
え
)
む、美しく気高き
面
(
おも
)
ざし
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
襟
常用漢字
中学
部首:⾐
18画
脚
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
“襟”で始まる語句
襟
襟飾
襟巻
襟元
襟首
襟髪
襟頸
襟足
襟垢
襟度