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薄物
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うすもの
ふりがな文庫
“
薄物
(
うすもの
)” の例文
但僧侶の袈裟とかいふ樣な、古代の形式を保存すべき必要のあるものには、古い製品と同樣の
薄物
(
うすもの
)
を使用したりして居る。
染織に関する文献の研究
(旧字旧仮名)
/
内藤湖南
(著)
全身の豊満な肉体を露出するよりは、
薄物
(
うすもの
)
を
纏
(
まと
)
うた姿にかえって情調をそそられるといったような心理もないではない。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さる
子細
(
しさい
)
あればこそ
此處
(
こゝ
)
の
流
(
なが
)
れに
落
(
おち
)
こんで
嘘
(
うそ
)
のありたけ
串談
(
じようだん
)
に
其日
(
そのひ
)
を
送
(
おく
)
つて
情
(
なさけ
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
薄物
(
うすもの
)
に、
螢
(
ほたる
)
の
光
(
ひかり
)
ぴつかりとする
斗
(
ばかり
)
、
人
(
ひと
)
の
涕
(
なみだ
)
は百
年
(
ねん
)
も
我
(
が
)
まんして
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二人
挽
(
びき
)
の車が
泥塗
(
どろまみれ
)
になって、入って来た。車から下りた銀杏返の若い女は、鼠色のコオトをぬいで、草色の
薄物
(
うすもの
)
で縁に上り、出て来た
年増
(
としま
)
の女と挨拶して居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
私
(
わたくし
)
の
服装
(
みなり
)
が
変
(
かわ
)
った
瞬間
(
しゅんかん
)
には、もう
私
(
わたくし
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
さんもいそいそと
私
(
わたくし
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
へお
見
(
み
)
えになりました。お
服装
(
みなり
)
は
広袖
(
ひろそで
)
の
白衣
(
びゃくい
)
に
袴
(
はかま
)
をつけ、
上
(
うえ
)
に
何
(
なに
)
やら
白
(
しろ
)
の
薄物
(
うすもの
)
を
羽織
(
はお
)
って
居
(
お
)
られました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
近頃
(
ちかごろ
)
はやり
物
(
もの
)
のひとつになった
黄縞格子
(
きじまごうし
)
の
薄物
(
うすもの
)
に、
菊菱
(
きくびし
)
の
模様
(
もよう
)
のある
緋呉羅
(
ひごら
)
の
帯
(
おび
)
を
締
(
し
)
めて、
首
(
くび
)
から
胸
(
むね
)
へ、
紅絹
(
べにぎぬ
)
の
守袋
(
まもりぶくろ
)
の
紐
(
ひも
)
をのぞかせたおせんは、
洗
(
あら
)
い
髪
(
がみ
)
に
結
(
ゆ
)
いあげた
島田髷
(
しまだまげ
)
も
清々
(
すがすが
)
しく
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
まるまると肥った色の白そうな女だった。年の頃は十八か九であろう。透きとおるような
薄物
(
うすもの
)
のワンピースで。——向うではこっちを急に見つけた様子をして、ものなれたウィンクを送った。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大體唐以前は、一般の好尚は
薄物
(
うすもの
)
、透き通るものを好む傾向がある。勿論厚手の織物も其間に有つたにはちがひないけれども、一般には厚手は貴ばれない。
染織に関する文献の研究
(旧字旧仮名)
/
内藤湖南
(著)
私
(
わたくし
)
が
初
(
はじ
)
めてお
目
(
め
)
にかかった
時
(
とき
)
のお
服装
(
なり
)
は、
上衣
(
うわぎ
)
が
白
(
しろ
)
の
薄物
(
うすもの
)
で、それに
幾枚
(
いくまい
)
かの
色物
(
いろもの
)
の
下着
(
したぎ
)
を
襲
(
かさ
)
ね、
帯
(
おび
)
は
前
(
まえ
)
で
結
(
むす
)
んでダラリと
垂
(
た
)
れ、その
外
(
ほか
)
に
幾条
(
いくすじ
)
かの、ひらひらした
長
(
なが
)
いものを
捲
(
ま
)
きつけて
居
(
お
)
られました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷