“菊菱”の読み方と例文
読み方割合
きくびし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
店へ行く廊下を通る時大きい銀のすゝきのかんざしの鈴が鳴つた。菊菱きくびしの紋を白く抜いた水色の麻の幕から日が通つて、金の屏風にきらきらと光つて居た。
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
知られぬ橋手前の菊菱きくびしおあいにくでござりまするという雪江を二時が三時でもと待ち受けアラと驚く縁の附際つけぎわこちらからのようにもたせた首尾電光石火早いところを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
近頃ちかごろはやりもののひとつになった黄縞格子きじまごうし薄物うすものに、菊菱きくびし模様もようのある緋呉羅ひごらおびめて、くびからむねへ、紅絹べにぎぬ守袋まもりぶくろひもをのぞかせたおせんは、あらがみいあげた島田髷しまだまげ清々すがすがしく
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)