菜園さいゑん)” の例文
けれども先生せんせい其家そのいへかこ幾畝いくせかの空地くうちみづからたがやして菜園さいゑんとし種々しゆ/″\野菜やさいゑてます。また五六羽ごろつぱにはとりふて、一もちゆるだけのたまごつてます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
宗助そうすけれたあたまつめたい空氣くうきさらして、わざと菜園さいゑんまでりてつた。さうして、其所そこがけよこつたおほきなあな見出みいだした。宗助そうすけ少時しばらく其前そのまへつて、くらおくはうながめてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今朝けさわが庭にふりつみぬ。籬枯生まがきかれふはた菜園さいゑんのうへに
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
こころのかてをわがとる菜園さいゑんこそ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
宜道ぎだうへつつひしてめしをむらしてゐるあひだに、宗助そうすけ臺所だいどころからりてには井戸端ゐどばたかほあらつた。はなさきにはすぐ雜木山ざふきやまへた。そのすそすこたひらところひらいて、菜園さいゑんこしらえてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれ自分じぶんへやひとかんがへた。つかれると、臺所だいどころからりて、うら菜園さいゑんた。さうしてがけしたつた横穴よこあななか這入はいつて、つとうごかずにゐた。宜道ぎだうやうでは駄目だめだとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)