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苦勞
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くろう
家を
出るほどなら
此樣な
貧乏世帶の
苦勞をば
忍んでは
居ませぬと
泣くに
貧乏世帶に
飽きがきたなら
勝手に
何處なり
行つて
貰はう
恐らく
口から
出任せに、
大して
苦勞なしに
作つたとおもはれますが、それが
皆下品でなく、あっさりとほがらかに
明るい
氣持ちで
詠み
上げられてゐます。
なかなか
昔の
人は
苦勞したものです。がそんなことは、
文學の
上ではむだ
骨折りといふものです。それをまた、おもしろいと
思つてゐてはいけないのです。
夫れは
孰れも
取止めの
無き
取こし
苦勞で
御座りませうけれど、
何うでも
此樣な
氣のするを
何としたら
宜う
御座りますか、
唯々心ぼそう
御座りますとて
打なくに
尠くとも、さうして
落ちついて
宴會を
開く
數時間前までは、
皆で
苦勞して、かやを
刈り
集めてゐたのです。
菊の
井のお
力は
行ぬけの
締りなしだ、
苦勞といふ
事はしるまいと
言ふお
客樣もござります、ほんに
因果とでもいふものか
私が
身位かなしい
者はあるまいと
思ひますとて
潜然とするに
何うしたからとて
人並みでは
無いに
相違なければ、
人並の
事を
考へて
苦勞する
丈間違ひであろ、あゝ
陰氣らしい
何だとて
此樣な
處に
立つて
居るのか、
何しに
此樣な
處へ
出て
來たのか
世話にこそなれ
恩もなにもなき
我が
身が、
常日ごろ
種々の
苦勞をかける
上にこの
間中よりの
病氣、それ
程のことでも
無かりしを、
何故か
氣が
欝ぎて、
心にも
無き
所置ありしかもしれず