自白じはく)” の例文
しかもらうとおもことこと/″\こと出來できなかつた。おのれの弱點じやくてんいては、一言ひとことかれまへ自白じはくするの勇氣ゆうき必要ひつえうみとめなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いさ、おれもそりや何方どつちだツていさ。雖然けれどもこれだけは自白じはくして置く。俺はお前のにく吟味ぎんみしたが、心は吟味ぎんみしなかツた。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「課長さん。早速さっそくですが自白じはくしますよ。レッドの奴をバラバラにしたなア、このあっしでサ。刑罰はどの位ですか」
一九五〇年の殺人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
以上いじやうあまりに正直しやうぢきぎた白状はくじやうかもれぬ。けれども、正直しやうぢきぎた自白じはくうちには、多少たせう諷刺ふうしこもつてるつもりだ。
が、アンドレイ、エヒミチはちゝことばではあるが、自分じぶん是迄これまで醫學いがくたいして、またぱん專門學科せんもんがくゝわたいして、使命しめいかんじたことはかつたと自白じはくしてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
などと女に関する悪口あっこうがたくさんある。畢竟ひっきょういかに男子が自己のより婦人に迷ったかを自白じはくするに過ぎぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
宗助そうすけこの可憐かれん自白じはくなぐさめていか分別ふんべつあまつて當惑たうわくしてゐたうちにも、御米およねたいしてはなはどくだといふおもひ非常ひじやうたかまつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
が、アンドレイ、エヒミチはちちことばではあるが、自分じぶんはこれまで医学いがくたいして、また一ぱん専門学科せんもんがっかたいして、使命しめいかんじたことはかったと自白じはくしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
前にも僕は子供時代の感情を自白じはくして恥をさらしたが、子供のときから顔のみにくいことをつねに笑われ、顔がおぼんのようだとか、鼻が低いとか、色が黒いとか、眼ばかり大きいとか
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
宗助そうすけもとよりさうだとこたへなければならない或物あるものあたまなかつてゐた。けれども御米およねはゞかつて、それほど明白地あからさま自白じはくあへてしなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)