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自業自得
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じごうじとく
ふりがな文庫
“
自業自得
(
じごうじとく
)” の例文
養子だけが
会
(
お
)
うてくれた。たくさんとは言いませんがと畳に頭をすりつけたが、話にならなかった。
自業自得
(
じごうじとく
)
、そんな言葉も彼は
吐
(
は
)
いた。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
お小夜は
自業自得
(
じごうじとく
)
だ、——手代の清八は、お孃さんにひどく嫌はれて、殺す氣になつたのはひどい野郎だ。が、一番惡いのは主人の善兵衞さ。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
慌てゝ早く来た分は
自業自得
(
じごうじとく
)
だが、約束の正一時を十五分過ぎている。今度こそはと、目を皿のようにして見張っていたら思いもかけない奴が
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それがために道庵は、役所へ引張られて一応吟味の上が、手錠三十日間というお灸になったのは、
自業自得
(
じごうじとく
)
とはいえかわいそうなことであります。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
当人たちが困ろうと、飢えようと
自業自得
(
じごうじとく
)
であり、むしろ生きた学問となろう。親のことばより実際の
社会
(
よのなか
)
から少し学ばせたほうが慈悲というものだ。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
何せ今のとこ誰一人
訪
(
た
)
ンねたげる人もないのんで、『頼りにするのん姉ちゃんだけや』いわれると、なんぼ
自業自得
(
じごうじとく
)
や思ても可哀そうになって来るねん。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
自業自得
(
じごうじとく
)
だ。頭目をだしぬこうなんて、反逆行為だ。反逆行為の刑罰はどんなものだか、知っているだろう」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そゞろに
発
(
おこ
)
りし悪心より人を殺した
天罰覿面
(
てんばつてきめん
)
、
斯
(
かゝ
)
る最後を
遂
(
と
)
げるというも
自業自得
(
じごうじとく
)
、
我身
(
わがみ
)
は
却
(
かえ
)
って
快
(
こゝろよ
)
きも、只
不憫
(
ふびん
)
な事は娘なり、血縁にあらねば重二郎どの
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼らは
自業自得
(
じごうじとく
)
で、彼らの未来を
塗抹
(
とまつ
)
した。だから歩いている先の方には、花やかな色彩を認める事ができないものと
諦
(
あき
)
らめて、ただ二人手を
携
(
たずさ
)
えて行く気になった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
腹のさくるは
自業自得
(
じごうじとく
)
なり、子をさして母をこまらせ親を苦しめて子をなかせたる罪の、今
忽
(
たちま
)
ち報ひ来て我手の先に
斃
(
たお
)
れたり、悟れや汝生きて
桓公
(
かんこう
)
の血に罪を作らんよりは
刺客蚊公之墓碑銘:柩に収めて東都の俳人に送る
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
お艶は何をいうにも若い女のこと、ただ
折角
(
せっかく
)
のこの家に敷居が高くなるだけで、それも言ってみれば
自業自得
(
じごうじとく
)
だが、婆さんは年をくっているくせにあんまりとどかなすぎる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
さんざん
悪
(
わる
)
いいたずらばかりしておきながら、
今更
(
いまさら
)
猫
(
ねこ
)
に
苦
(
くる
)
しめられるといって
泣
(
な
)
き
言
(
ごと
)
を
言
(
い
)
いに
来
(
き
)
ても、それは
自業自得
(
じごうじとく
)
というもので、わたしにだってどうしてもやられないよ。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
甥の身の上は
自業自得
(
じごうじとく
)
の因果で是非ないとしても、自分の
宗家
(
そうけ
)
たる藤枝の家をこのまま亡ぼしてしまっては、先祖に対しても申し訳がない、死んだ兄に対しても申し訳がない。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すべてが
自業自得
(
じごうじとく
)
で、これから方向を転換するには、時すでに遅しというわけであった。
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
だが、明智やきみたちが、この洞くつの道にまよって、かってに
餓死
(
がし
)
するのは、おれの知ったことじゃないからね。二十面相のじゃまだてをしたきみたちの
自業自得
(
じごうじとく
)
というものだよ。ハハハ……。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今一つは原因結果の道理で何事も
自業自得
(
じごうじとく
)
、自分の
為
(
な
)
したる悪事は自分で苦しい思いをして
償
(
つぐな
)
わなくちゃあならん、また自分の為したる善事の結果即ち快楽幸福もまた自分が受け得らるるのである。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「
自業自得
(
じごうじとく
)
さ」そういう言葉が自然に私の口をついて、出てきた。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
いわば
自業自得
(
じごうじとく
)
である。しかしながら、かりにも狼の出没するという形跡は、別に土地の人を恐怖させずにはおかない。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
全くの
自業自得
(
じごうじとく
)
で、しかも常識のあるものなら誰でも
避
(
よ
)
けられる、また避けなければならない自業自得だから、我れながら浅ましい馬鹿だと、つくづく自分が
厭
(
いや
)
になって
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「——お師さまには、何もご存じないことだ。
糺命
(
きゅうめい
)
されたのは、汝の
自業自得
(
じごうじとく
)
ではないか」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
林「うむ、少しは疵も付いたろう、
自業自得
(
じごうじとく
)
だ、誰を
怨
(
うら
)
むところがあるか、神妙にお縄を頂戴しろえ、これ友之助、
大切
(
たいせつ
)
な御用だぞ、
上
(
かみ
)
へお
手数
(
てすう
)
の掛らねえように
有体
(
ありてい
)
に申上げろよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又それを仕損じて、どのような怖ろしい罪科に陥ちようとも、しょせんはお師匠さまの
自業自得
(
じごうじとく
)
じゃ。わたしはお前のお師匠さまに恨みこそあれ、恩もない、義理もない、
由縁
(
ゆかり
)
もない。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また耶蘇教には
自業自得
(
じごうじとく
)
ということもない訳ではない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ああ、それというのも
自業自得
(
じごうじとく
)
だったろう。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「全く、浅吉さんていう人は、なんてかわいそうな人なんでしょう、おばさんの方は
自業自得
(
じごうじとく
)
かも知れないが、浅吉さんこそ浮びきれますまいねえ」
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自業自得
(
じごうじとく
)
とは言いながら、気の毒にもなって、だんだん事情を聞き取ってみると、銅鑼屋の亀さんは
吃驚
(
びっくり
)
した。その女が、前々話を聞いていた、左次郎の
養母
(
はは
)
に当るお咲だった。
醤油仏
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
己
(
うぬ
)
が勝手に主人の金を
遣
(
つか
)
やアがって言い訳がないから死ぬのだが、それに
附合
(
つきあ
)
って死ぬやつがあるものか、死んだ奴は
自業自得
(
じごうじとく
)
だ、お前は身の上を旦那に頼んで
極
(
きま
)
りを付けて仕舞って
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
金造の殺されたのは
自業自得
(
じごうじとく
)
で……。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
清川八郎は土方歳三をよく知っている、日頃
一廉
(
ひとかど
)
の人物と見ているところから、ここで島田のために斬られることが、
自業自得
(
じごうじとく
)
とは言いながら惜しいと思うのも人情です。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自業自得
(
じごうじとく
)
とはいえ、実に、えらいものを、しょい込んだと、家成はこのところ、楽しい日を失っていた。それにひきかえ、泰子の住む東の対ノ屋では、男女の客の絶えまがない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかし、本来を言えば島田にはなんの
怨
(
うら
)
みもない、
落度
(
おちど
)
はこっちにあるから
自業自得
(
じごうじとく
)
じゃ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、玄蕃允にたいして
罵
(
ののし
)
った自分のことばも、陣夢
寂
(
せき
)
たる
裡
(
うち
)
に、独り
沸
(
たぎ
)
らせていると、その憤怒も、やがては誰へも向けようもなく、
自業自得
(
じごうじとく
)
と、自己に思い返してみるしかない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道庵先生ともあろうものが、ここで裸松のため、ほとんど、なぶり殺しの目に逢い出したのも、もとはといえば、
自業自得
(
じごうじとく
)
。自業自得とはいいながら、その
業
(
ごう
)
は酒がさせるわざです。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
自業自得
(
じごうじとく
)
というもんでさ」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“自業自得”の意味
《形容動詞》
自分ひとり喋りまくつて一人相撲に疲れてしまふ宇野さんは自業自得で是非もないが、人のお喋りをきいて虚無的な疲れ方をしなければならないのは、並たいていな馬鹿な話ではないのである。(坂口安吾 『お喋り競争』)
(出典:Wiktionary)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“自業自”で始まる語句
自業自悔