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目見得
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めみえ
ふりがな文庫
“
目見得
(
めみえ
)” の例文
「お嬢さま、熊井に頼んでおきました、
田舎出
(
いなかで
)
の小間使いがお
目見得
(
めみえ
)
に参りましたが、通しましてもさしつかえございませんか」
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何分にも
目見得
(
めみえ
)
中の奉公人で、給金もまだ本当に取りきめていない位であるから、その身許などを詮議している暇もなかったというのです。
鰻に呪われた男
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ところが、ひとり石川播磨守だけは、眼に涙すらたたえて、その少年を傍らに寄せ、秀吉へ
目見得
(
めみえ
)
の礼をとらせながら、さて、こう述べた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
登場俳優を
片端
(
かたっぱし
)
から生死のドタン場にまで飜弄しようとしている運命の魔神の、お
目見得
(
めみえ
)
の所作に外ならなかったのだ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それで、それはそれとして、針目博士がとつぜんわれわれの前へ
脚光
(
きゃっこう
)
をあびてあらわれた、そのお
目見得
(
めみえ
)
の事件について、これから述べようと思う。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
お
目見得
(
めみえ
)
だけにでもつれてゆこう、なアに着物なんぞ着替えるにも及ばねえや、ふだん着で結構だよ、風呂にいったというんならちょうどいいじゃねえか
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
「あの蚕の口から出まする糸、それを
座繰
(
ざぐり
)
にかけて繰り出しましてから、島田に結わせて、世間様へお
目見得
(
めみえ
)
を致させまする、あれは通常、生糸と申しましてな」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
所が、平吉がお
目見得
(
めみえ
)
をしてから二月ばかりするとそこのお
上
(
か
)
みさんがふとした出来心から店の若い者と一しょになって着のみ着のままでかけ落ちをしてしまった。
ひょっとこ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「まア宜い、逢ふも逢はないもあるものか。殿樣へお
目見得
(
めみえ
)
ぢやあるめえし、此處へ通すんだ。お勝手から來るやうぢや、どうせ若い娘だらうから
脅
(
おど
)
かして歸しちやならねえ」
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
孫一
(
まごいち
)
も其の一人だつたの……此の人はね、乳も涙も
漲
(
みなぎ
)
り落ちる
黒女
(
くろめ
)
の
俘囚
(
とりこ
)
と
一所
(
いっしょ
)
に、島々を
目見得
(
めみえ
)
に廻つて、其の
間
(
あいだ
)
には、日本、日本で、見世ものの小屋に置かれた事もあつた。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
山「はい私の
祖父様
(
じいさん
)
がお
抱
(
かゝ
)
えに成りましたのだそうでございますが、足軽から段々お取立に成りまして、お
目見得
(
めみえ
)
近くまで成りました、名は白島山平と申しまする者でございます」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今、お
目見得
(
めみえ
)
をさせるからね、そのお嬢さんのお気にさえ入れば、お前さんはきょうからでも、高い給金で奉公ができるのだよ
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
三日の
目見得
(
めみえ
)
もとどこおりなく済んで、お角は津の国屋へいよいよ住み込むことになった。お雪は菓子折を持って文字春のところへ礼に来た。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「どうだ一番、あの紙張の中と、葛籠の中、鬼が出るか
蛇
(
じゃ
)
が出るか、俺とお前の
初
(
はつ
)
のお
目見得
(
めみえ
)
にはいい腕比べだ、天竜寺の
前芸
(
まえげい
)
にひとつこなしてみようじゃねえか」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
けれどこの少年も
後
(
のち
)
には黒田長政となった
資
(
し
)
である。父官兵衛に伴われて、安土の群臣の前に出ても、また信長に
目見得
(
めみえ
)
しても、決して卑屈に
羞恥
(
はにか
)
んでばかりいなかった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孫一
(
まごいち
)
も
其
(
そ
)
の
一人
(
ひとり
)
だつたの……
此
(
こ
)
の
人
(
ひと
)
はね、
乳
(
ちゝ
)
も
涙
(
なみだ
)
も
漲
(
みなぎ
)
り
落
(
お
)
ちる
黒女
(
くろめ
)
の
俘囚
(
とりこ
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、
島々
(
しま/″\
)
を
目見得
(
めみえ
)
に
𢌞
(
まは
)
つて、
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
には、
日本
(
につぽん
)
、
日本
(
につぽん
)
で、
見世
(
みせ
)
ものの
小屋
(
こや
)
に
置
(
お
)
かれた
事
(
こと
)
もあつた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そのお
目見得
(
めみえ
)
芝居の芸題は阿古屋の琴責めで、半太夫が阿古屋をつとめる事になっておりますから、その舞台を御覧になって、その通りの場面を五人組みに作って頂けますまいか。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それは歌舞伎座の正月興行で、かれは帰り新参のお
目見得
(
めみえ
)
として、「鞍馬山」のだんまりに牛若丸をつとめ、養父菊五郎が木の葉天狗実は天明太郎に扮した。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
が、ふしぎな
大役
(
たいやく
)
、いいつけられた、呂宋兵衛のほうでも、なんだかムズムズ油がのる。
秀吉公
(
ひでよしこう
)
への
目見得
(
めみえ
)
の
初役
(
はつやく
)
、ぜひ引っからめて見せねばならぬとひそかにちかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悪く
抜衣紋
(
ぬきえもん
)
で、胸を折って、横坐りに、
蝋燭火
(
ろうそくび
)
へ
紙火屋
(
かみぼや
)
のかかった
灯
(
あかり
)
の向うへ、ぬいと半身で出た工合が、
見越入道
(
みこしにゅうどう
)
の
御館
(
おやかた
)
へ、
目見得
(
めみえ
)
の雪女郎を連れて出た、
化
(
ばけ
)
の慶庵と言う
体
(
てい
)
だ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このところに於て初のお
目見得
(
めみえ
)
ですから、野郎きっと夜通し飛んで来てみたが、目的地へ来てみると、自分を出し抜いて、火事が目当てを焼いてしまっていたので、面食ってしまったに相違ない。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「山科郷にわびしゅう暮らす
藻
(
みくず
)
という
賤
(
しず
)
の
女
(
め
)
でござります。殿にお
目見得
(
めみえ
)
を願いとうて参じました」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
云い聞かせて、次の日、新川の大家へ、
藪山
(
やぶやま
)
の叔母に連れられて
目見得
(
めみえ
)
に行った。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白糸 ああ、女中のお
目見得
(
めみえ
)
がいけないそうだ。それじゃ、私帰ります。失礼。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お通が
目見得
(
めみえ
)
に行ったぎりで其の後なんの沙汰もないので、姉も心配して相模屋へ問い合わせに行きますと、目見得もとどこおりなく済んで、主人の方でも大変気に入って
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
呂宋兵衛は、ここぞ出世の
緒口
(
いとぐち
)
と、あらんかぎりの
巧舌
(
こうぜつ
)
と
甘言
(
かんげん
)
で、お
目見得
(
めみえ
)
した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その代りとしておたけが
目見得
(
めみえ
)
に来たのは、七月の十七日であった。
彼女
(
かれ
)
は相州の大山街道に近い村の生れで、年は二十一だといっていたが、体の小さい割に
老
(
ふ
)
けて見えた。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
黒旋風
(
こくせんぷう
)
の
李逵
(
りき
)
お
目見得
(
めみえ
)
のこと
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中幕の「
蜘振舞
(
くものふるまい
)
」で頼光をつとめ、二番目は病気全快のお
目見得
(
めみえ
)
という触れ込みで、
桜痴
(
おうち
)
居士新作の「山中平九郎」を上演し、菊五郎が主人公の平九郎を勤めたのであるが
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
菊村ではすぐ人をやって、まだ
目見得
(
めみえ
)
中のお菊を無事に潮来から取り戻した。
半七捕物帳:02 石灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「さあ、いつと決めて来たわけでもないが、むこうも
歳暮
(
くれ
)
から正月にかけて人出入りも多かろうし、なるべく一日も早いがいいだろう。お前の支度さえよければ、あしたにでも
目見得
(
めみえ
)
に連れて行こう」
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“目見得”で始まる語句
目見得格
目見得下