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しろじ
ふりがな文庫
“
白地
(
しろじ
)” の例文
文士という肩書の無い
白地
(
しろじ
)
の
尋常
(
ただ
)
の人間に戻り、ああ、
済
(
すま
)
なかった、という一念になり、我を忘れ、世間を忘れて、私は……私は遂に泣いた……
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
花色
(
かしょく
)
は紫のものが普通品だが、また栽培品にはまれに白花のもの、
白地
(
しろじ
)
に
紫斑
(
しはん
)
のものもある。きわめてまれに
萼
(
がく
)
、花弁が六
片
(
へん
)
になった異品がある。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
学校教育を受けつつある三四郎は、こんな男を見るときっと教師にしてしまう。男は
白地
(
しろじ
)
の
絣
(
かすり
)
の下に、
鄭重
(
ていちょう
)
に白い
襦袢
(
じゅばん
)
を重ねて、
紺足袋
(
こんたび
)
をはいていた。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
八時過ぎには何も片づけてしまい九時前には湯を済まして
白地
(
しろじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
に着かえ
団扇
(
うちわ
)
を持って置座に出たところやはりどことなく
艶
(
なまめ
)
かしく年ごろの娘なり。
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
御召物
(
おめしもの
)
は、これは
又
(
また
)
私
(
わたくし
)
どもの
服装
(
ふくそう
)
とはよほど
異
(
ちが
)
いまして、
上衣
(
うわぎ
)
はやや
広
(
ひろ
)
い
筒袖
(
つつそで
)
で、
色合
(
いろあ
)
いは
紫
(
むらさき
)
がかって
居
(
お
)
りました、
下衣
(
したぎ
)
は
白地
(
しろじ
)
で、
上衣
(
うわぎ
)
より二三
寸
(
ずん
)
下
(
した
)
に
延
(
の
)
び
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
しかし、だんだん
白地
(
しろじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
を
着
(
き
)
る
人
(
ひと
)
が
少
(
すく
)
なくなって、みんな
人々
(
ひとびと
)
が
黒
(
くろ
)
っぽい
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
るようになってから、一
方
(
ぽう
)
では、やっと
白
(
しろ
)
い
影
(
かげ
)
を
捜
(
さが
)
すのに
都合
(
つごう
)
がよくなりました。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼のすぐ横には白ペンキ
塗
(
ぬり
)
の信号柱が、
白地
(
しろじ
)
に黒線の
這入
(
はい
)
った横木を傾けて、下り列車が近付いている事を暗示していたが、しかし人影らしいものはどこにも見当らなかった。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何
(
なに
)
か、自分は世の中の
一切
(
すべて
)
のものに、
現在
(
いま
)
、
恁
(
か
)
く、
悄然
(
しょんぼり
)
、
夜露
(
よつゆ
)
で
重
(
おも
)
ッくるしい、
白地
(
しろじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の、しおたれた、細い姿で、
首
(
こうべ
)
を垂れて、唯一人、由井ヶ浜へ通ずる砂道を
辿
(
たど
)
ることを、
見
(
み
)
られてはならぬ
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寝衣
(
ねまき
)
か何か、
袷
(
あわせ
)
に
白地
(
しろじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
を
襲
(
かさ
)
ねたのを着て、
扱
(
しごき
)
をグルグル巻にし、上に不断の羽織をはおっている
秩序
(
しどけ
)
ない姿も
艶
(
なま
)
めかしくて、此人には
調和
(
うつり
)
が
好
(
い
)
い。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
きょうは
白地
(
しろじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
をやめて、背広を着ている。しかしけっしてりっぱなものじゃない。光線の圧力の野々宮君より白シャツだけがましなくらいなものである。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
白がさねして、
薄紅梅
(
うすこうばい
)
に銀のさや
形
(
がた
)
の
衣
(
きぬ
)
、
白地
(
しろじ
)
金襴
(
きんらん
)
の帯。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
圭さんは、
無雑作
(
むぞうさ
)
に
白地
(
しろじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の
片袖
(
かたそで
)
で、頭から顔を
撫
(
な
)
で廻す。碌さんは腰から、ハンケチを出す。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まだ馬の
沓
(
くつ
)
を打ってる。何だか寒いね、君」と圭さんは白い
浴衣
(
ゆかた
)
の下で堅くなる。碌さんも同じく
白地
(
しろじ
)
の
単衣
(
ひとえ
)
の
襟
(
えり
)
をかき合せて、だらしのない
膝頭
(
ひざがしら
)
を
行儀
(
ぎょうぎ
)
よく
揃
(
そろ
)
える。やがて圭さんが云う。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“白地”の意味
《名詞》
【しろじ】紙、布等で、地の白いもの。
【しらち】公図で地番が付されていない土地。
【はくち】白い生地、更地、素人の女。
(出典:Wiktionary)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“白地”で始まる語句
白地絖
白地絣
白地鳥