町名ちやうめい)” の例文
まゐりましたところ堺町さかひちやうでうきたまちといふ、大層たいそうづかしい町名ちやうめいでございまして、里見さとみちうらうといふ此頃このごろ新築しんちくをした立派りつぱうち
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
宗助そうすけ横濱よこはまはうはせてやうとおもつたが、つい番地ばんち町名ちやうめいいてかなかつたので、うすること出來できなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まがると先程さきほど糸屋いとやまへ眞直まつすぐけば大通おほどほりへ仕舞しまひますたしか裏通うらどほりとおほせで御座ございましたが町名ちやうめいなんまをしますか夫次第それしだい大抵たいていわかりませうと問掛とひかけたり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
成程なるほど——町名ちやうめい間違まちがひはないはずだが、かたちがふかな。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
火事くわじ見舞みまひ間際まぎはに、こまかい地圖ちづして、仔細しさい町名ちやうめい番地ばんち調しらべてゐるよりも、ずつとはなれた見當違けんたうちがひ所作しよさえんじてゐるごとかんじた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
裏道傳うらみちづた二町にちやう三町さんちやう町名ちやうめいなにれねどすこりし二階建にかいだて掛行燈かけあんどんひか朧々ろう/\としてぬしはありやなしや入口いりぐちならべし下駄げた二三足にさんぞく料理番れうりばん欠伸あくびもよすべき見世みせがゝりの割烹店かつぽうてんあり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)