トップ
>
生来
>
せいらい
ふりがな文庫
“
生来
(
せいらい
)” の例文
旧字:
生來
思うに道阿弥は多少とも
幇間的
(
ほうかんてき
)
性質の男であって、
生来
(
せいらい
)
幾分か公と同様の傾向があったか、或は公の歓心を買わんがために殊更にそう装ったか
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
就中
(
なかんずく
)
儂の、最も感情を
惹起
(
じゃっき
)
せしは、新聞、集会、言論の条例を設け、
天賦
(
てんぷ
)
の三大自由権を
剥奪
(
はくだつ
)
し、
剰
(
あまつさ
)
え
儂
(
のう
)
らの
生来
(
せいらい
)
かつて聞かざる諸税を課せし事なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
こんなのが、裏手にはまだ六七頭もいるんだと思うと、
生来
(
せいらい
)
蛇嫌いな帆村はもうすっかり
憂鬱
(
ゆううつ
)
になってしまった。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私は
生来
(
せいらい
)
そうした手細工に興味を持っておりますので、数日の間コツコツとそればかりを
丹精
(
たんせい
)
して、結局申し分のない携帯覗き
眼鏡
(
めがね
)
を作り上げたことでした。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
けれど、主人一平氏は家庭に
於
(
おい
)
て、平常、
大方
(
おおかた
)
無口で、
沈鬱
(
ちんうつ
)
な顔をして居ます。この沈鬱は氏が
生来
(
せいらい
)
持つ現世に対する虚無思想からだ、と氏はいつも申します。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
保吉はたちまち熱心にいかに売文に
糊口
(
ここう
)
することの困難であるかを
弁
(
べん
)
じ出した。弁じ出したばかりではない。彼の
生来
(
せいらい
)
の詩的情熱は見る見るまたそれを誇張し出した。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父は
生来
(
せいらい
)
交際好
(
こうさいずき
)
の上に、職業上の必要から、だいぶ手広く諸方へ出入していた。
公
(
おおやけ
)
の
務
(
つとめ
)
を退いた
今日
(
こんにち
)
でもその惰性だか影響だかで、
知合間
(
しりあいかん
)
の
往来
(
おうらい
)
は絶える間もなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小松原舞二郎、
生来
(
せいらい
)
の多病。それで剣道は自ら廃し、好める学問の道にむかい、
林家
(
りんけ
)
の弟子として
錚々
(
そうそう
)
たるもの。広太郎と同年で二十三歳、それでいてすでに代講をする。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
生来
(
せいらい
)
貴方
(
あなた
)
は
怠惰者
(
なまけもの
)
で、
厳格
(
げんかく
)
で
無
(
な
)
い
人間
(
にんげん
)
、それ
故
(
ゆえ
)
貴方
(
あなた
)
は
何
(
な
)
んでも
自分
(
じぶん
)
に
面倒
(
めんどう
)
でないよう、
働
(
はたら
)
かなくとも
済
(
す
)
むようとばかり
心掛
(
こころが
)
けている、
事業
(
じぎょう
)
は
代診
(
だいしん
)
や、その
他
(
た
)
のやくざものに
任
(
まか
)
せ
切
(
き
)
り
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
先
(
ま
)
ず第一に私の悪い事を申せば、
生来
(
せいらい
)
酒を
嗜
(
たしな
)
むと云うのが一大欠点、成長した
後
(
のち
)
には
自
(
みず
)
からその悪い事を
知
(
しっ
)
ても、悪習
既
(
すで
)
に
性
(
せい
)
を成して
自
(
みず
)
から禁ずることの出来なかったと云うことも
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今ここにかくのごとき愚かな
子供談
(
こどもばなし
)
をし、しかも自己の
恥
(
はじ
)
を
曝
(
さら
)
すのは、この経験が
永
(
なが
)
く僕の頭に留まり、四十年後の今日もこれを追懐すれば、自分が
生来
(
せいらい
)
短慮なりしことを明らかにすると同時に
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
牢の入口なる
閂
(
かんぬき
)
の取り
外
(
はず
)
さるる
響
(
ひびき
)
いとど
怪
(
あや
)
しう
凄
(
すさ
)
まじさは、さすがに覚悟せる妾をして身の毛の
逆竪
(
よだ
)
つまでに怖れしめ、
生来
(
せいらい
)
心臓の力弱き妾は
忽
(
たちま
)
ち
心悸
(
しんき
)
の
昂進
(
こうしん
)
を支え得ず、鼓動乱れて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
壮一君は
生来
(
せいらい
)
の冒険児で、中学校を卒業すると、学友とふたりで、南洋の新天地に渡航し、何か壮快な事業をおこしたいと願ったのですが、父の壮太郎氏は、がんとしてそれをゆるさなかったので
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“生来”の意味
《名詞》
生 来(しょうらい・せいらい)
生まれつき。また、生まれつきもって生まれた性質や性格。
《形容動詞》
生 来(しょうらい・せいらい)
生まれつき。うまれたときから。
(出典:Wiktionary)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死