洋々やう/\)” の例文
……その玄關げんくわん六疊ろくでふの、みぎ𢌞まはえんにはに、物數寄ものずきせて六疊ろくでふ十疊じふでふつぎ八疊はちでふつゞいて八疊はちでふかは張出はりだしの欄干下らんかんしたを、茶船ちやぶね浩々かう/\ぎ、傳馬船てんま洋々やう/\としてうかぶ。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
洋々やう/\たるナイルかは荒漠くわうばくたるサハラの沙漠さばく是等これらおほい化物思想ばけものしさう發達はつたつうながした。埃及えじぷと神樣かみさまには化物ばけもの澤山たくさんある。しかこれ希臘ぎりしやくと餘程よほどことなり、かへつて日本にほんる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
かれ未來ふうじられたつぼみのやうに、ひらかないさきひとれないばかりでなく、自分じぶんにもしかとはわからなかつた。宗助そうすけはたゞ洋々やう/\の二かれ前途ぜんと棚引たなびいてゐるがしただけであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すでに水平線上すゐへいせんじやうたかのぼつた太陽たいよう燦爛さんらんたるひかりみづおとして金波きんぱ洋々やう/\たるうみおもには白帆はくはんかげてんてんそのあひだ海鴎かいおう長閑のどかむらがんで有樣ありさまなどは自然しぜんこゝろさはやかになるほど
洋々やう/\たる大河たいがとも漠々ばく/\たる原野げんやむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)