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波斯
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ペルシャ
ふりがな文庫
“
波斯
(
ペルシャ
)” の例文
五人のうちで一番若い——十七位の
波斯
(
ペルシャ
)
乙女はわけても悲しそうな様子をして眼を泣き脹らしておりましたので妾の注意をひきました。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
なぜなら、現に今夜の若い時間に、彼の妻のいが栗頭の
波斯
(
ペルシャ
)
猫がわざわざ私に指示してこの男が
良人
(
おっと
)
であると証言したではないか。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
もしも外形だけで云うなら、庄造だってもっと美しい
波斯
(
ペルシャ
)
猫だの
暹羅
(
シャム
)
猫だのを知っているが、でもこのリリーは性質が実に愛らしかった。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それから図表、バァイオリンケース、パイプ
架
(
かけ
)
、それから更に
波斯
(
ペルシャ
)
スリッパー、——……と、それぞれ見まわす目に止まった。
空家の冒険
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
ここで兵士の描写が出ているが、後半に出て来る羅馬軍と
波斯
(
ペルシャ
)
軍との戦争は、
頗
(
すこぶ
)
る興味のあるものであった。波斯軍は戦象と云うのを用いている。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
▼ もっと見る
波斯
(
ペルシャ
)
の王子、ハルン・アル・ラシドといった王様たちが、大勢の侍臣に付き従われながら悠々と町を練っている光景なぞが、我々の心を躍らせて
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
即ち欧洲人は猶太の国を東国と称し、
波斯
(
ペルシャ
)
人は彼らを西人と呼んでいる。もっと著しい例は彼の
比律賓
(
ヒリッピン
)
群島である。
東西相触れて
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
足音を忍ばして降りて来かかった派手な
波斯
(
ペルシャ
)
模様の寝間着の裾と、白い、しなやかな素足の爪先がヒラヒラと、慌てて二階の方へ逃げ上って行ったが
継子
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
印度や西域や
波斯
(
ペルシャ
)
、それから
大食
(
タージ
)
、イラン文化までずらりと長安に並んでたんだから、まるで今のパリみたいだ。
旅愁
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そして実際、その山の
木々
(
きぎ
)
の秋の葉は、とても美事で、色彩の変化に富んでいたので、
波斯
(
ペルシャ
)
ショールの譬えも決してその現実を誇張したものではなかった。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
しばしば見られる六角卓の様式から云って、欧洲のものではなく、
印度
(
インド
)
、
波斯
(
ペルシャ
)
あたりのものであろう。時代も明らかではないが二百年前には溯らないであろう。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
妾は、皮膚の色
褪
(
あ
)
せた
波斯
(
ペルシャ
)
族、半黒黒焼の
馬来
(
マレー
)
人、衰微した安南の舞姫の
裡
(
うち
)
にあって、日露戦争役の小さい誇を、桜の花の咲いた日本の衣服に輝かせていました。
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
墨西其
(
メキシコ
)
、モンテネグロ、
和蘭
(
オランダ
)
、
波斯
(
ペルシャ
)
、
葡萄牙
(
ポルトガル
)
、
羅馬尼亜
(
ルーマニア
)
、
露西亜
(
ロシア
)
、
塞耳比亜
(
セルビア
)
、
暹羅
(
シャム
)
、
瑞典
(
スウェーデン
)
、
那威
(
ノルウェー
)
、
瑞西
(
スイス
)
、
土耳其
(
トルコ
)
、
勃牙利
(
ブルガリア
)
の二十六ヵ国の全権大使が会合して、国際的争議を解決するに
文明史上の一新紀元
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
狭い船室で、椅子と小寝台があるきりだから、探す余地も、見廻すところもない。きちんと片附けられた部屋の
波斯
(
ペルシャ
)
絨毯の上に、今ジャネットの着ていたドレスが円く脱ぎ捨ててある。
海妖
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
それならオリーブをどうして斉墩樹というかと言うと、この斉墩樹は元来が音訳字であって、それは
波斯
(
ペルシャ
)
国でのオリーブの土言ゼイツン(Zeitun)に基いたものに外ならないのである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
窓は
悉
(
ことごと
)
く閉め切って、内側からさし込みで留めた上、厚い窓掛を念入に引いてありますし、チークの大
卓
(
テーブル
)
の上も、
波斯
(
ペルシャ
)
模様の
絨毯
(
じゅうたん
)
の上も、日本語とフランス語の本が一杯に取り散らばしてありますが
流行作家の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
埃及
(
エジプト
)
、
印度
(
いんど
)
、
支那
(
しな
)
、
阿剌比亜
(
アラビア
)
、
波斯
(
ペルシャ
)
、皆魔法の
問屋
(
といや
)
たる国〻だ。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そこは古代
波斯
(
ペルシャ
)
の美術品や写本などの陳列室なのであった。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ニスのような皮膚をしたヌビヤ人、ターバンを巻いた
亜剌比亜
(
アラビヤ
)
人。
袍
(
ガウン
)
を纏った
波斯
(
ペルシャ
)
人。そうして
皆
(
みんな
)
喋舌
(
しゃべ
)
っていた。多くは大道商人である。
死の航海
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その感歎はまるで
波斯
(
ペルシャ
)
をセイロンの旗立てた漁船みたいな潜航艇で潜航しているようなものなのです。
孟買挿話
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
ユースタス・ブライトはその山を、
波斯
(
ペルシャ
)
風のショールにくるまった、首のないスフィンクスに譬えた。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
何も
伊太利
(
イタリー
)
とばかりは限らない。
佛蘭西
(
フランス
)
でも、英国でも
乃至
(
ないし
)
は
印度
(
インド
)
だの
波斯
(
ペルシャ
)
だの
埃及
(
エジプト
)
だの
亜剌比亜
(
アラビヤ
)
だのと云う国でも、まだ日本よりは遥かに増しのように感ぜられる。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それから僕は
波斯
(
ペルシャ
)
を通りメッカを見物し、それからちょっとではあったが、カァールトウムのカリファに、興味ある訪問をした。そしてこの事は僕は、外務省には通報しておいた。
空家の冒険
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
全身が
刺青
(
いれずみ
)
のように青光りする
波斯
(
ペルシャ
)
模様の派手な寝間着を着た、石竹色のしなやかな素足に、これも贅沢な刺繍のスリッパを穿いていたが、その顔は大理石を
彫
(
きざ
)
んだように真白く
硬
(
こわ
)
ばって
継子
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一方は中央
亜細亜
(
アジア
)
から
波斯
(
ペルシャ
)
に向い
波斯
(
ペルシャ
)
湾に
出
(
い
)
でんとする。何でも薄弱なる所に暴力を用いて圧迫したところが、これもまた英国の反抗に出遇ってなかなか容易に志を達することが出来ない。
東亜の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
古来複雑なもので、美しいものは
稀
(
まれ
)
の稀だといってよいであろう。あの
印度
(
インド
)
や
波斯
(
ペルシャ
)
のもので複雑なものがあるが、しかし注視するならそれは錯雑ではなくして、単純の複合であるのを気づくであろう。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「亜剌比亜の東端で
波斯
(
ペルシャ
)
湾岸であります」
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
この女は
波斯
(
ペルシャ
)
猫である。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
何んてまあ変わって了ったんだろう? 彼は
蒼白
(
まっさお
)
の顔をして(
曾
(
かつて
)
はそれは活々としたピンク色を呈していたではないか。)
波斯
(
ペルシャ
)
模様の
氈
(
かも
)
を掛けた
長榻
(
ながいす
)
に深く身を埋め
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
波斯
(
ペルシャ
)
駐在の英国公使たりし、男爵オーガスタス・モランの息。イートンとオックスフォードに学ぶ。ジョッキとアフガンに従軍し、キャラシァブ、シャープール及びカブールに駐屯したる事あり。
空家の冒険
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
乙女の言葉によりますと、乙女は
波斯
(
ペルシャ
)
でも由緒正しい絹
商人
(
あきんど
)
の愛娘で、その時からちょうど一月前、父母に連れられてコンスタンチノーブルへ観光に来たのだそうでございます。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
印度
(
インド
)
産の黒檀の
卓子
(
テーブル
)
。
波斯
(
ペルシャ
)
織りの花
毛氈
(
もうせん
)
。アフガニスタンの絹窓掛け。サクソンの時計。支那の硯。インカ帝国から伝わった
黄金
(
こがね
)
作りの太刀や
甲
(
かぶと
)
。朝鮮の人参は袋に入れられ柱に
幾個
(
いくつ
)
か掛けてある。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
波斯
(
ペルシャ
)
織りだの
亜剌比亜
(
アラビア
)
織りだのの、高価らしい華麗な壁掛けなどが、現代の眼から見る時には、ペンキ画ぐらいしかの
値打
(
かち
)
しかない——しかし享保の昔にあっては、
谷
(
きわ
)
めて高雅に思われるところの
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“波斯”の意味
《固有名詞》
波斯(ハシ、ハルシャ、ペルシャ)
ペルシア。
(出典:Wiktionary)
“波斯(ペルシア)”の解説
ペルシア、ペルシャ(el: Περσία)は、現在のイランを表すヨーロッパ側の古名である。漢名は波斯(はし)・波斯国(はしこく)。波斯と書いてペルシャ、ペルシヤと読ませることもある。イランの主要民族・主要言語の名称でもある。
(出典:Wikipedia)
波
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
“波斯”で始まる語句
波斯人
波斯匿
波斯匿王
波斯文字
波斯紀行
波斯猫
波斯産
波斯縁
波斯辺
波斯青