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さそく
ふりがな文庫
“
早速
(
さそく
)” の例文
人の哀れを面白げなる
高笑
(
たかわらひ
)
に、是れはとばかり、
早速
(
さそく
)
のいらへもせず、ツと
己
(
おの
)
が部屋に走り歸りて、
終日
(
ひねもす
)
夜
(
よ
)
もすがら泣き明かしぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
しかし今一度思案して見い。余の儀とも違うて、
早速
(
さそく
)
に返答のならぬ筈のことを性急に催促したはわしのあやまりじゃ。これは一晌半日を
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
息
(
いき
)
つぎに
水
(
みづ
)
を
求
(
もと
)
めたが、
火
(
ひ
)
の
注意
(
ちうい
)
に
水道
(
すゐだう
)
の
如何
(
いかん
)
を
試
(
こゝろ
)
みた
誰
(
たれ
)
かが、
早速
(
さそく
)
に
警告
(
けいこく
)
したのであらう。
夢中
(
むちう
)
で
誰
(
たれ
)
とも
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ない。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兵法ではすべて、
早速
(
さそく
)
の機というものを尊ぶ。こちらに備えあるも、敵が備えを破るに備えの裏を掻いて来る場合は、かえって、こちらが出鼻の誤算を
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(中略)
扨
(
さて
)
此娘、(中略)つとめに
出
(
いづ
)
る其日より、富豪の大臣かかり、
早速
(
さそく
)
に身うけして、三八夫婦母おやも大阪へ引きとり、有りしにかはる
暮
(
くらし
)
と成り
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
その中に
瞳
(
ひとみ
)
が
活
(
い
)
きている。動かないでしかも活きている
刹那
(
さつな
)
の表情を、そのまま画布に落した手腕は、会心の機を
早速
(
さそく
)
に捕えた非凡の
技
(
ぎ
)
と云わねばならぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ
汝
(
そなた
)
も此方へ、と云ひさして掌に持たれし花を
早速
(
さそく
)
に釣花活に投げこまるゝにぞ、十兵衞なか/\
怯
(
おめ
)
ず臆せず、手拭で足はたくほどの事も気のつかぬ男とて為すことなく
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
夜が明けると、早くから飛び起きて、すぐにメリヤスの
襯衣
(
シャツ
)
に浴衣で、ドアを押して見たが、
颯
(
さっ
)
と来る雨霧に慌てて首をすっ込ますと、
早速
(
さそく
)
にレインコートを引っかぶってしまった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
早速
(
さそく
)
に一人が喜助と云う身で、若い妓の袖に
附着
(
くッつ
)
く、
前後
(
あとさき
)
にずらりと六人、列を造って練りはじめたので、あわれ、若い妓の素足の指は、
爪紅
(
つまべに
)
が震えて留まる。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
綾錦の装束なりとも七重八重かさねて仕立てさするは、十日か半月の
間
(
ひま
)
にもなることじゃ。但しはほかに子細のあることか。この謎を
早速
(
さそく
)
に判じておくりゃれ。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
はつと驚ろいた三四郎の足は、
早速
(
さそく
)
の歩調に
狂
(
くるひ
)
が出来た。其時透明な空気の
画布
(
カンヷス
)
の
中
(
なか
)
に
暗
(
くら
)
く
描
(
ゑが
)
かれた女の
影
(
かげ
)
は
一歩
(
ひとあし
)
前へ
動
(
うご
)
いた。三四郎も
誘
(
さそ
)
はれた様に前へ動いた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ
汝
(
そなた
)
も
此方
(
こち
)
へ、と云いさして
掌
(
て
)
に持たれし花を
早速
(
さそく
)
に
釣花活
(
つりはないけ
)
に投げこまるるにぞ、十兵衛なかなか
怯
(
お
)
めず
臆
(
おく
)
せず、
手拭
(
てぬぐい
)
で足はたくほどのことも気のつかぬ男とてなすことなく
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それこそ真っ黒々に汚ごしきって、すなわち
早速
(
さそく
)
の
鰌
(
どじょう
)
すくいと来た。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
女でこそあれこの桂も、御奉公はじめの御奉公納めに、この
面
(
おもて
)
をつけてお身がはりと、
早速
(
さそく
)
の分別……。
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小野さんは
早速
(
さそく
)
の返事を忘れて、暗い部屋のなかに
竦
(
すくま
)
るような気がした。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
女でこそあれこの桂も、御奉公はじめの御奉公納めに、この
面
(
おもて
)
をつけてお身がわりと、
早速
(
さそく
)
の分別……。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ただ小野さんは勝手な神に恋の
御賽銭
(
おさいせん
)
を投げて、波か字かの
辻占
(
つじうら
)
を見てはならぬ。小野さんは、この黒い眼から
早速
(
さそく
)
に放つ、見えぬ光りに、空かけて織りなした無紋の網に引き掛った
餌食
(
えじき
)
である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
併
(
しか
)
し
彼
(
か
)
の大石は自然に落ちて来たのか、
或
(
あるい
)
は故意に投げ落したのか、巡査には
早速
(
さそく
)
の判断が附かなかった。
若
(
も
)
し故意であるとすれば、
四辺
(
あたり
)
には𤢖の同類が
猶
(
なお
)
潜
(
ひそ
)
んでいるに相違ない。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“早速”の意味
《形容動詞》
早速(さっそく、古:そうそく)
すぐに。すぐさま。速やかに。
《名詞・形容動詞》
速やかなこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
早
常用漢字
小1
部首:⽇
6画
速
常用漢字
小3
部首:⾡
10画
“早”で始まる語句
早
早々
早業
早晩
早稲田
早熟
早合点
早鐘
早苗
早稲