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摺
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ずり
ふりがな文庫
“
摺
(
ずり
)” の例文
ここで夫婦は戸外へ出て一夜を明かしたところで、際物師の書肆が来て、地震の趣向で何か一枚
摺
(
ずり
)
をこしらえてくれと言った。
死体の匂い
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それでも稲舟と結婚した時は両人連名で益々御愛顧を願うというような開業の引札然たる活版
摺
(
ずり
)
の通知を交友間に配った。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そのころは、まだ写真術が幼稚だったし、新聞の号外もまだ早く出なかったから、私たちに目から教えたものは、やはり木版
摺
(
ずり
)
三枚つづきの
錦絵
(
にしきえ
)
だった。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
御守殿お茂与というのは一時深川の岡場所で鳴らした
強
(
したた
)
か者で、大名の留守居や、
浅黄裏
(
あさぎうら
)
の工面の良いのを悩ませ一枚
摺
(
ずり
)
にまで
謳
(
うた
)
われた名代の女だったのです。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
奧州名物の
信夫
(
しのぶ
)
もぢ
摺
(
ずり
)
、野田の玉川、あさかの沼、
鹽釜櫻
(
しほがまざくら
)
御覽
(
ごらう
)
じたかなどと云ふ。こつちは得たり賢しと、勿體らしくこの歌を持ち出して、あき風ぞ吹く白河の關……。
能因法師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
いつでも持って来ただけの金はここで
損
(
す
)
ってしまう春作なのである。これから、火の気もない家へ帰って、一枚
摺
(
ずり
)
の
彩絵
(
いろえ
)
や
読本
(
よみほん
)
の
挿絵
(
さしえ
)
を描く気にもなれないのであろう。
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして痛む脚を引き
摺
(
ずり
)
ながら、塹壕の斜面についた階段を、くるしそうに登っていった。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これよりさき、明治二十一、二年頃、石版
摺
(
ずり
)
の裸体画が一時絵双紙屋の店頭に
跋扈
(
ばっこ
)
し、もちろん非美術的の代物で後には禁止されたが、この時すでに錦絵ももう末だなと感じた。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
活版
摺
(
ずり
)
の問題が配られたので恐る恐るそれを取つて一見すると五問ほどある英文の中で自分に読めるのは殆どない。第一に知らない字が多いのだから考へやうもこじつけやうもない。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
で、この辺に住んで居るのはチベット人ばかりでネパール種族は居りませぬ。ですからその屋根の隅々には皆白い旗を立ててありましてその旗には真言の文句を木版
摺
(
ずり
)
にしてあります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「相川さん、遅刻届は活版
摺
(
ずり
)
にしてお置きなすったら、
奈何
(
いかが
)
です」などと、
小癪
(
こしゃく
)
なことを
吐
(
ぬか
)
す受付の小使までも、心の中では彼の貴い性質を尊敬して、普通の会社員と同じようには見ていない。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
野々宮さんは目
録
(
ろく
)
へ
記号
(
しるし
)
を
付
(
つ
)
ける
為
(
ため
)
に、
隠袋
(
かくし
)
へ手を入れて鉛筆を
探
(
さが
)
した。鉛筆がなくつて、一枚の活版
摺
(
ずり
)
の
端書
(
はがき
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た。見ると、美禰子の結婚披露の招待状であつた。披露はとうに
済
(
す
)
んだ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御守殿お茂與といふのは一時深川の岡場所で鳴らした
強
(
したゝ
)
か者で、大名の留守居や、
淺黄裏
(
あさぎうら
)
の工面の良いのを惱ませ一枚
摺
(
ずり
)
にまで
謠
(
うた
)
はれた名代の女だつたのです。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
米
(
こめ
)
は
俵
(
たはら
)
より
涌
(
わ
)
き
銭
(
ぜに
)
は
蟇口
(
がまぐち
)
より
出
(
いづ
)
る
結構
(
けつこう
)
な
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
何
(
なに
)
が
不足
(
ふそく
)
で
行倒
(
ゆきだふ
)
れの
茶番
(
ちやばん
)
狂言
(
きやうげん
)
する事かとノンキに
太平楽
(
たいへいらく
)
云ふて、
自作
(
じさく
)
の
小説
(
せうせつ
)
が
何十遍
(
なんじつぺん
)
摺
(
ずり
)
とかの
色表紙
(
いろべうし
)
を
付
(
つ
)
けて
売出
(
うりだ
)
され
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
縅
(
おど
)
しの草
摺
(
ずり
)
をゆりうごかして、
戞々
(
かつかつ
)
と、
退
(
ひ
)
いて来た
強者
(
つわもの
)
がある。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
“摺”を含む語句
引摺
地摺
手摺
頬摺
笈摺
阿婆摺
摺合
雲母摺
手古摺
摺鉢
摺寄
袖摺
摺付
悪摺
青摺
摺出
籾摺
摺附木
摺上川
衣摺
...