拔群ばつくん)” の例文
新字:抜群
話にも聞きつらん、祖先兵衞ひやうゑ直頼殿、餘五將軍よごしやうぐんつかへて拔群ばつくんの譽を顯はせしこのかた、弓矢ゆみやの前にはおくれを取らぬ齋藤の血統ちすぢに、女色によしよくに魂を奪はれし未練者は其方が初めぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
なくしたをとこが、そのなくしたといふたからをばわすれぬためし如何どん拔群ばつくん美人びじんをおせあっても、それはたゞその拔群ばつくんをも拔群ばつくん美人びじん思出おもひださす備忘帳おぼえちゃうぎぬであらう。さらば。
彌次六に引合ひきあは種々いろ/\内談ないだんに及びぬ爰に諏訪明神の社人しやにん諏訪右門すはうもんとて年齡としいまだ十三歳なれど器量きりやう拔群ばつくんすぐれし者有り此度遠藤屋へ珍客ちんきやくの見えしと聞より早速さつそく彌次六方へ來り委細ゐさい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ところへ! とも二人ふたりつれて、車夫體しやふてい壯佼わかものにでつぷりとえた親仁おやぢの、くちびるがべろ/\として無花果いちじゆくけたるごとき、めじりさがれる、ほゝにくつかむほどあるのをはして、六十ろくじふ有餘いうよおうなたけ拔群ばつくんにして
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ゆう拔群ばつくん小兒こせがれなり、尋常なみ/\なる鬼胎おにのはらより
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おつ成長せいちやうまし/\器量きりやう拔群ばつくんすぐ發明はつめいなれば加納將監夫婦ふうふひとへに實子の如くいつくしみそだてけるさて或日あるひ徳太郎君につきの女中みなあつま四方山よもやまはなしなどしけるが若君には御運ごうんつたなき御生おうまれなりと申すに徳太郎君御不審ごふしんおぼしめし女中に向ひ其方ども予が事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)