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拔群
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ばつくん
話にも聞きつらん、祖先
兵衞直頼殿、
餘五將軍に
仕へて
拔群の譽を顯はせしこのかた、
弓矢の前には
後れを取らぬ齋藤の
血統に、
女色に魂を奪はれし未練者は其方が初めぞ。
目を
失した
男が、
其失した
目といふ
寶をば
忘れぬ
例。
如何な
拔群な
美人をお
見せあっても、それは
只其拔群な
美をも
拔く
拔群な
美人を
思出さす
備忘帳に
過ぎぬであらう。さらば。
彌次六に
引合せ
種々と
内談に及びぬ爰に諏訪明神の
社人に
諏訪右門とて
年齡未十三歳なれど
器量拔群に
勝れし者有り此度遠藤屋へ
珍客の見えしと聞より
早速彌次六方へ來り
委細を
處へ!
供を
二人つれて、
車夫體の
壯佼にでつぷりと
肥えた
親仁の、
唇がべろ/\として
無花果の
裂けたる
如き、
眦の
下れる、
頬の
肉掴むほどあるのを
負はして、
六十有餘の
媼、
身の
丈拔群にして
勇拔群の
小兒なり、
尋常なる
鬼胎より
出で
追て
成長まし/\
器量拔群に
勝れ
發明なれば加納將監
夫婦は
偏に實子の如く
寵くしみ
育ける
扨或日徳太郎君に
附の女中みな
集り
四方山の
咄などしけるが若君には
御運拙なき
御生れなりと申すに徳太郎君
御不審に
思めし女中に向ひ其方ども予が事を