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惨状
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さんじょう
ふりがな文庫
“
惨状
(
さんじょう
)” の例文
時としては目下の
富貴
(
ふうき
)
に安んじて
安楽
(
あんらく
)
豪奢
(
ごうしゃ
)
余念
(
よねん
)
なき
折柄
(
おりから
)
、また時としては旧時の
惨状
(
さんじょう
)
を
懐
(
おも
)
うて
慙愧
(
ざんき
)
の念を
催
(
もよ
)
おし、一喜一憂一哀一楽
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
原爆
(
げんばく
)
の
残虐
(
ざんぎゃく
)
さが、そのことばとしての意味だけで伝えられてはいたが、まだほんとうの
惨状
(
さんじょう
)
を知らされていなかったあの年の八月十五日
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
映画も、レビューも、飲食店も、露店業者も、ほとんど店を閉めんばかりの
惨状
(
さんじょう
)
を呈した。
殊
(
こと
)
に夜などは、公園じゅうが広漠たる
廃墟
(
はいきょ
)
であった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
惨状
(
さんじょう
)
は、目を
蔽
(
おお
)
いたいくらいだ。その中に、旗艦ユーダ号が、なおもひらひらと司令長官旗を掲げ、陣頭に立っているのは、むしろ悲壮な感じがした。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あらゆる
醜状
(
しゅうじょう
)
を
世間
(
せけん
)
にさらした
生
(
い
)
きがいなき
不幸
(
ふこう
)
な母と思いつめると、ありし世の
狂母
(
きょうぼ
)
の
惨状
(
さんじょう
)
やわが
身
(
み
)
の
過去
(
かこ
)
の
悲痛
(
ひつう
)
やが、いちいち
記憶
(
きおく
)
から
呼
(
よ
)
び起こされるのである。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
だがここで注意すべきは、この小説が実は飢饉がまだ本格的な
惨状
(
さんじょう
)
をあらわさず、且つ自身で現地を視察に出かける二ヶ月以上も前に書き上げられた、という事実だ。
チェーホフ序説:――一つの反措定として――
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
さっき
此処
(
ここ
)
へ来る
途々
(
みちみち
)
、自動車の窓からちらと見ただけでも、業平橋附近の
惨状
(
さんじょう
)
が想像以上であったのに彼女は驚いたのであったが、こうして此処を
眺
(
なが
)
めた感じは昔の通りで
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さすがに形容をはばかるが、
惨状
(
さんじょう
)
、眼をそむけしむるものがあったのである。おりからの炎熱とともに、ただならぬ悪臭を放つようになった。こんどは家内が、まいってしまった。
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
真っ向から
唐竹
(
からたけ
)
に割りつけられて、満顔
紅
(
くれない
)
に
染
(
し
)
みた姿を下へ落としてきた意外な
惨状
(
さんじょう
)
は、同じように、石垣のわきに身をひそめていた龍平の眼にもありありと映じたでありましょう。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余等が帝劇のハムレットに
喜憂
(
きゆう
)
を
注
(
そそ
)
いで居る間に、
北多摩
(
きたたま
)
では地が真白になる程雹が降った。余が畑の
小麦
(
こむぎ
)
も大分こぼれた。
隣字
(
となりあざ
)
では、麦は
種
(
たね
)
がなくなり、
桑
(
くわ
)
も
蔬菜
(
そさい
)
も青い物
全滅
(
ぜんめつ
)
の
惨状
(
さんじょう
)
に
会
(
あ
)
うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
隧道
(
トンネル
)
の入口に近づいてみますと、昨夜とはちがって
白昼
(
はくちゅう
)
だけにその
惨状
(
さんじょう
)
は眼もあてられません。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
当時
随行
(
ずいこう
)
部下の諸士が
戦没
(
せんぼつ
)
し負傷したる
惨状
(
さんじょう
)
より、
爾来
(
じらい
)
家に残りし父母兄弟が死者の死を悲しむと共に、自身の方向に迷うて
路傍
(
ろぼう
)
に
彷徨
(
ほうこう
)
するの事実を想像し
聞見
(
もんけん
)
するときは
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
糟谷は飲めない口で西田の相手をしながら、いまいってきた
某氏
(
ぼうし
)
の家の
惨状
(
さんじょう
)
を語った。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
部落の家には、みな
人穴城
(
ひとあなじょう
)
の
残党
(
ざんとう
)
がおしこみ、衣食をうばわれた善良な
村人
(
むらびと
)
は、
老幼男女
(
ろうようなんにょ
)
、のこらず
裸体
(
はだか
)
にされて、森のなかに押しこめられている。
真
(
まこと
)
にこれ、白昼の
大公盗
(
だいこうとう
)
、目もあてられぬ
惨状
(
さんじょう
)
だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帆村探偵の命令で、なお全速力で、現場に近づくにしたがって、爆発のため破壊された家や
塀
(
へい
)
の
惨状
(
さんじょう
)
が、三人の目をおどろかせた。現場ちかくで
頤紐
(
あごひも
)
かけた警官隊に停車を命ぜられた。
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
警部さんにつづいて私達も外を
覗
(
のぞ
)
いてみました。両側の家は、停電でもしているかのように
真暗
(
まっくら
)
です。しかしヘッド・ライトに照らされて
街並
(
まちなみ
)
がやっと見えます。ああ、何たる
惨状
(
さんじょう
)
でしょうか。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白光
(
はっこう
)
の下に、その
惨状
(
さんじょう
)
を
正視
(
せいし
)
し得る市民は、何人あることであろうか。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
猛爆、また猛爆、その
惨状
(
さんじょう
)
は聞くにたえないものがあった。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あまりの
惨状
(
さんじょう
)
に、書きあらわす文字を知らない。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“惨状”の意味
《名詞》
惨状(さんじょう)
惨たらしい状態や状況。
(出典:Wiktionary)
惨
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
状
常用漢字
小5
部首:⽝
7画
“惨”で始まる語句
惨
惨憺
惨酷
惨澹
惨劇
惨死
惨虐
惨禍
惨殺
惨敗