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恁云
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かうい
すると
其處で
院長は六
號室で
有ると
聞き、
庭から
直に
別室に
入り、
玄關の
間に
立留ると、
丁度恁云ふ
話聲が
聞えたので。
心細さは
申すまでもなかつたが、
卑怯な
様でも
修業の
積まぬ
身には、
恁云ふ
暗い
処の
方が
却つて
観念に
便が
宜い。
アンドレイ、エヒミチは
恁云ふ
病院の
有樣では、
熱病患者、
肺病患者には
最も
可くないと、
始終思ひ/\するのであるが、
其れを
又奈何する
事も
出來ぬので
有つた。
手をあげて
黒髪をおさへながら
腋の
下を
手拭でぐいと
拭き、あとを
両手で
絞りながら
立つた
姿、
唯これ
雪のやうなのを
恁る
霊水で
清めた、
恁云ふ
女の
汗は
薄紅になつて
流れやう。
命令、
主張、
禁止、
恁云ふ
事は
凡て
彼には
出來ぬ。
丁度聲を
高めて
命令などは
决して
致さぬと、
誰にか
誓でも
立てたかのやうに、
呉れとか、
持つて
來いとかとは
奈何しても
言へぬ。
貴僧ずん/\
入らつしやいましな、
何うもしはしません。
恁云ふ
処ですからあんなものまで
人懐うございます、
厭ぢやないかね、お
前達と
友達を
見たやうで
可愧い、あれ
可けませんよ。