急病きふびやう)” の例文
おや大病たいびやうだか、ともだちが急病きふびやうだか、れたもんですか。……きみたちのやうにつちや、なにか、あやしいところへでも出掛でかけるやうだね。」
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あのとき愚老ぐらう不審ふしんおもひました。岸和田藩きしわだはんのお武士さむらひ夜分やぶん内々ない/\えまして、主人しゆじん美濃守みののかみ急病きふびやうなやんでゐるによつててくれとのおはなし
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
道子みちこ三月みつきたゝぬうち立派りつぱかせにんとなり、はゝへの仕送しおくりにはなんとゞこほりもなくやつてつたが、ほどなく其母そのはゝ急病きふびやうんでしまひ、道子みちこはそれから以後いごみせかせかね
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
お時へ咄しければお時は是を聞て驚愕びつくりなし如何なる急病きふびやうにやと甚だ案じなげき夫文藏へ此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたしはをとこ片附かたづけてしまふと、今度こんどまたをんなところへ、をとこ急病きふびやうおこしたらしいから、てくれとひにきました。これも圖星づぼしあたつたのは、まをげるまでもありますまい。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
矢張やつぱりあなたは急病きふびやうかなんかで此処こゝへおでなすツたかえ。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いゝえ私等わたくしども東京とうきやう修行しゆぎやうまゐつてるものでござるが、今度こんど國許くにもとちゝ急病きふびやうまを電報でんぱうかゝつて、それかへるのでござるが、いそいで見舞みまはんければなりませんので、むをふねにしました。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)