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御厄介
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ごやっかい
ふりがな文庫
“
御厄介
(
ごやっかい
)” の例文
文「姉さん、帰るんならどうせ
通道
(
とおりみち
)
だから送って上げよう、大きに
御厄介
(
ごやっかい
)
になりました、
明日
(
あした
)
来て奉公人や何かへ
詫
(
わび
)
をしましょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ええ、皆無事で暮らしてるようです。こちらへも
御厄介
(
ごやっかい
)
になったろうッて、
吾家
(
うち
)
のものからよろしくと言って来ました。」
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「半四郎さん、どうも御苦労さま、とんだ
御厄介
(
ごやっかい
)
でございます。そこらあぶのうございますからお気をつけなすって……」
水籠
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「あ、もし、太夫様にお眼にかかれぬならば、あの、お松と申す女の子が、このお家に
御厄介
(
ごやっかい
)
になっておりまするとやら」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先月は大勢で
御厄介
(
ごやっかい
)
になりその上久振に播半で結構なおもてなしにあずかり、故郷のよさをしみじみ味わうことが出来て
嬉
(
うれ
)
しゅうございました。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
お延が
先
(
せん
)
を越して、「
御厄介
(
ごやっかい
)
になります」とこっちから
挨拶
(
あいさつ
)
をしたので、始めて気がついたように、看護婦も頭を下げた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
妹たちも今申したとおり
塾
(
じゅく
)
に入れてしまいますし、この後はこれといって大して
御厄介
(
ごやっかい
)
はかけないつもりでございます。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
前生の因縁だったのでございましょうね、不意にお宅で
御厄介
(
ごやっかい
)
になることになりましてから、長い間どんなに御親切にしていただいたことでしょう。
源氏物語:19 薄雲
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「少し事情がありますので
御厄介
(
ごやっかい
)
になったのでございます。おたずね下さらなければ
嬉
(
うれ
)
しゅうございます。」
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
其様
(
そん
)
な手紙は未だ見なかったのである。
来意
(
らいい
)
を聞けば、信州の者で、
一晩
(
ひとばん
)
御厄介
(
ごやっかい
)
になりたいと云うのだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
この上、お坊ちゃまに
御厄介
(
ごやっかい
)
をお掛け申すのは、この衛門、とても忍びのうございますでな。それに、お坊ちゃま。(
柄
(
がら
)
になく恥しそうに笑う)へ、へ、へ、へ、へ、………
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
こんなに遅く外を歩くのは
厭
(
いや
)
ですけれど、でも、雪之丞のことを考えると、ムラムラして、とてものんびり
御厄介
(
ごやっかい
)
になれませんし、それに、お宅で泊めていただいたら、明日
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
では
御厄介
(
ごやっかい
)
になってすぐに仕事に突っ走ります、と
鷲掴
(
わしづか
)
みにした
手拭
(
てぬぐい
)
で額
拭
(
ふ
)
き拭き勝手の方に立ったかとおもえば、もうざらざらざらっと口の中へ
打
(
ぶ
)
ち込むごとく茶漬飯五六杯
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
御蔭様
(
おかげさま
)
でヤット回復致しましたから、今日限り退院さして頂こうと思いまして、実は御相談に参りました次第ですが……どうも永々
御厄介
(
ごやっかい
)
に相成りまして、何とも御礼の申上げようがありません。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
内々直したる初心さ小春俊雄は
語呂
(
ごろ
)
が悪い
蜆川
(
しじみがわ
)
の
御厄介
(
ごやっかい
)
にはならぬことだと
同伴
(
つれ
)
の男が
頓着
(
とんじゃく
)
なく混ぜ返すほどなお
逡巡
(
しりご
)
みしたるがたれか知らん異日の治兵衛はこの俊雄
今宵
(
こよい
)
が
色酒
(
いろざけ
)
の
浸初
(
しみはじ
)
め
鳳雛麟児
(
ほうすうりんじ
)
は母の胎内を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「わしんとこの吉が
御厄介
(
ごやっかい
)
になっとりますそうで、——」
東京要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
このとおりこちらの
御厄介
(
ごやっかい
)
になることになりました。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
どうもこれはとんだ
御厄介
(
ごやっかい
)
をかけましたね。
御酒
(
ごしゅ
)
を
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「これは、どうも、
御厄介
(
ごやっかい
)
をかけますな」
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「お待たせいたした。
御厄介
(
ごやっかい
)
ながら」
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町「いゝえ、少しも痛みはしません、
何
(
なん
)
の貴方、長い旅に是しきの事で
然
(
そ
)
う
御厄介
(
ごやっかい
)
になりましては、思ったことが遂げられませぬ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御宅でも皆様御変りもなく……毎々
欽吾
(
きんご
)
や
藤尾
(
ふじお
)
が出まして、
御厄介
(
ごやっかい
)
にばかりなりまして……せんだってはまた結構なものをちょうだい致しまして
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
青山君、こんなにおそく上がって御迷惑かもしれませんが、今夜一晩
御厄介
(
ごやっかい
)
になれますまいか。青山君はまだわたしたちのことを何もお聞きになりますまい。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「こんなお取り次ぎによっての会談は私に経験のないことです。失礼ですが、今夜こちらで
御厄介
(
ごやっかい
)
になりましたのを機会にまじめに御相談のしたいことがございます」
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ほんまに
宜
(
よろ
)
しございますか? わたし先生にはもう毎度々々おやさしいにしていただきますもんですから、つい御親切に甘える気イになって、
御厄介
(
ごやっかい
)
にばっかりなりまして
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
亀屋
(
かめや
)
の
旦那
(
だんな
)
、おれとお
吉
(
きち
)
と婚礼の
媒妁役
(
なこうどやく
)
して呉れたを恩に着せるか知らぬが貴様々々は
廃
(
よし
)
て下され、七七四十九が六十になってもあなたの
御厄介
(
ごやっかい
)
になろうとは
申
(
もうし
)
ませぬ、お辰は私の姪
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あんな所からいきなり飛び出して来てこうなれなれしく
早月
(
さつき
)
さんにお話をしかけて変にお思いでしょうが、僕は下らんやくざ者で、それでも元は早月家にはいろいろ
御厄介
(
ごやっかい
)
になった男です。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「いつまでもこうして
御厄介
(
ごやっかい
)
になってはおられぬ、拙者は立退こうと思う」
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「はい、あれからずっと
御厄介
(
ごやっかい
)
になっています。」
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「——帆村はんの、あつかましいのに、うち呆れてしもうた。あんな人やあらへんと思うてたのにほんまにいやらしい人や。さあ、お松。もうこんなところに
御厄介
(
ごやっかい
)
になっとることあらへんしい。はよ、うちへいのうやないか」
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼女はこの夫人を見るや否や、
恭
(
うやうや
)
しく頭を下げて、「毎度津田が
御厄介
(
ごやっかい
)
になりまして」と云った。けれども夫人はその時その津田については
一言
(
ひとこと
)
も口を利かなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの時は二日二晩も歩き通しに歩いて、中津川へたどり着くまでは全く生きた
心地
(
ここち
)
もありませんでした。浅見君のお留守宅や青山君のところで
御厄介
(
ごやっかい
)
になったことは忘れませんよ。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
見違
(
みちげ
)
えるように大きくお成んなすったねえ、
私
(
わっち
)
が前橋に居りやした時分には、大旦那には
種々
(
いろ/\
)
御厄介
(
ごやっかい
)
になりまして、余り御無沙汰になりましたから、郵便の一つも上げてえと思っては居りやしたが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「どうも小六が
御厄介
(
ごやっかい
)
になりまして」とこっちから頭を下げて礼を云う事もあった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なにしろ、お前さま、昨年の十一月に伊那を出るから、わたくしも難儀な旅をいたしまして、すこしからだを悪くしたものですから、しばらく
敦賀
(
つるが
)
のお寺に
御厄介
(
ごやっかい
)
になってまいりました。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
藤尾が
始終
(
しじゅう
)
御厄介
(
ごやっかい
)
になりまして——さぞわがままばかり申す事でございましょう。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その上で、とうてい役に立たないと事がきまれば帰ります。きっと帰ります。僕だって、それだけの仕事が出来ないのに、
押
(
おし
)
を強く
御厄介
(
ごやっかい
)
になってる気はないんですから。僕は十九です。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あたしこれでも津田へ行ってからまだ一晩も
御厄介
(
ごやっかい
)
になった事はなくってよ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ありがとうございます。いろいろ
御厄介
(
ごやっかい
)
にばかりなりまして」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
厄
常用漢字
中学
部首:⼚
4画
介
常用漢字
中学
部首:⼈
4画
“御厄”で始まる語句
御厄年
御厄