後程のちほど)” の例文
「あの、後程のちほど内證ないしよう御新姐ごしんぞさんが。きつ御待おまあそばせよ。此處こゝに。ござんすか。」とさゝやいて、すぐに、ちよろりとえる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第四十圖だいしじゆうず)またいしつくつた裝飾品そうしよくひんもありますが、そのなかには後程のちほどべようとおも日本につぽん私共わたしども祖先そせん使つかつた勾玉まがたまかたちかざものがあり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
これは、後程のちほど彼女が出逢ったある危機にける、想像を絶した冷静さにちょうしても、外に判断の下し方はない様に見えるのだ。
お勢登場 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
うがす。ぢや後程のちほどうかゞひませう。いま小僧こぞう一寸ちよつとりませんからな」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この事は後程のちほどになって、何度も何度も聞かされた事なんですが。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
後程のちほどまた伺ひます。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
後程のちほど取りに参ります。
たゞかん中庭なかにはにはあのどるめんのちひさいものを、原状げんじようのまゝつてゑてありますから、後程のちほどには御覽下ごらんください。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
いえなん貴僧あなた。おまいさん後程のちほどわたし一所いつしよにおべなさればいゝのに。こまつたひとでございますよ。)とそらさぬ愛想あいさう手早てばや同一おなじやうなぜんこしらえてならべてした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんでございますか、わたしむねつかへましたやうで、些少ちつとしくございませんから、また後程のちほどいたゞきましやう、)と婦人をんな自分じぶんはしらずにふたツのぜんかたつけてな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)