年雄としお)” の例文
年雄としおくんは、いつしかにいさんのとしとなりました。いま、一人ひとりで、ゆずのて、やさしいにいさんのことをおもしていたのです。
ゆずの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
正二しょうじも、年雄としおくんのいえのはとのことがにかかったので、学校がっこうからかえっていってみました。だが、まだ、はとはかえっていませんでした。
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
年雄としおは、その足跡あしあとに、なんとなくしたしみをおぼえたのです。たかっているむらはいると、おみやがありました。また、百姓家しょうやがありました。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、にいさんは、なぐられながらだまっていました。年雄としおくんは、ただおそろしいので、ちいさくなって、ふるえていました。
ゆずの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「しいのも、すずめさんも、元気げんきでいるんだよ。」と、見上みあげたのでした。そこへ、いもうとのちいちゃんととなり年雄としおさんが、はしってきました。
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、なにをしているのでしょう。年雄としおさんとちいちゃんとですね。おまえしたえだまでいってごらんなさい。」と、ははすずめがこたえました。
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
とめさんは、おうちかえっていきました。するとまもなく、とめさんは、あに年雄としおさんと二人ふたりで、支度したくをしてきました。
雪消え近く (新字新仮名) / 小川未明(著)
としちゃん、汽車きしゃがてんぷくしたよ、たいへんだからきておくれよ。」と、にいさんは、おとうと年雄としおくんをびました。けれど、返事へんじがありません。
ゆずの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
年雄としおは、鉛筆えんぴつにぎったままで、しばらく、そのれつをながめていました。かれは、いまれつ先頭せんとうってあるいていく、先生せんせい姿すがたにとまったのです。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、どちらが、わるいのだろうか。」と、あたまをかしげていました。年雄としおさんにもわからなかったかもしれません。
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どこにも、あんなずるいやつがいるんだな。」と、年雄としおおもいました。かれは、半日はんにち散歩さんぽで、おもいがけない、いろいろのことを経験けいけんしたのであります。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
年雄としおさんはかたゆきをわるのに、てつのシャベルをち、とめさんは、ちいさな木鋤こすきっていました。
雪消え近く (新字新仮名) / 小川未明(著)
学校がっこうへいく時分じぶんには、かぜはいくぶんおとろえたが、あたまうえそらには、まだものすごいくもあとからあとからけていました。正二しょうじは、途中とちゅうおなくみ年雄としおくんにあいました。
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おじさんのいったように、ばん南風みなみかぜるんだぜ。」と、年雄としおさんが、いいました。
雪消え近く (新字新仮名) / 小川未明(著)
「はとがかえらないのだよ。」と、心配しんぱいそうなかおつきをして、年雄としおくんがいいました。
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)